翌日である。
朝礼終了後だ。
洋一は課長から呼ばれた。
嫌な汗が流れるのを洋一は感じていた。心当たりはある。

「お前、昨日順位確認システムを他のパソコンにインストールしただろう。」
「してません。」

なんでそんなことが分かるのか。

「わかるんだよ。わかるようになってるんだよ!」

なんで分かるんだろうか・・・。

「インストールしたパソコンを見せろ!今すぐ案内しろ!」
「いえ、だから私はやってません。」
「何っ?しらばっくれても無駄だ。あのCDにはなあ、1枚1枚にIDが振ってあるんだ。
お前が持ち出したCDのIDがお客とは別のパソコンから送信されているんだよ。だから、間違いないんだ。」

洋一は観念した。

アパートに課長を案内した。
車の中ではまるで死刑を執行される人のような気持ちで、気まずさに耐えながらひたすら沈黙していた。
アパートに着いてパソコンを起動した。
例のソフトがインストールされているのはすぐに分かった。

「このパソコンは没収。あと、CDをコピーしたものはどこにある?」

洋一はパソコンデスクの引き出しからCDを取り出し、パソコンにセットした。
同じセットアップの画面が出ることを確認して課長は、

「もう他にコピーはないか?」
「ありません。」
「そうか。」
「じゃあ、あとはこれだ。」


誓約書

私は無断で会社のソフトウェアを持ち出し、コピーをしたこと相違はございません。
よって、就業規則に定める罰則に従い、金100万円を当書面の日付から3ヶ月以内に支払うことを誓約いたします。


洋一は判を押してサインをした。

「お前、クビね。もう会社来なくていいから。100万円は親やサラ金から借りるとかして払いな。」

課長はパソコンを回収し帰っていったが、その後も洋一は青ざめたまま体を震わせていた。
その日は珍しく23時過ぎに好子は帰ってきた。
きっと早めに切り上げて来たのだろう。

ディスカッションに参加

2件のコメント

  1. 好子が最後、カワイソ過ぎる。。(T_T)

    ちょっとだけリアルで、最後が切ない特別企画ですね。
    長文お疲れ様でした。

    楽しく読ませて頂きました。

    北海道人なのに、
    タラバガニはカニじゃなくてヤドカリの仲間という事を知りませんでした(笑)
    勉強になりました(・∀・)

    1. ちょっとだけリアルってこんなSEO会社があったら嫌ですね。
      ここまでブラックハットを極めたらすごいけど、もはや社会の敵って感じです。

      そうそう、タラバガニはヤドカリの仲間なんです。
      コウモリと鳥がたまたま似てるのと同じですね。
      カニは足が10本ですけど、タラバガニは8本ですから、明らかに違う種類ってなわけで。

      まあ、どうでもいいんですけどね(笑

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です