小売業の戦略とSEO

今回のネタであるが、

小売業の戦略とSEO

というテーマである。
小売業の戦略とSEOは実に似ているということを今回は書いてみたい。

Googleウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムには時折、Googleに対する不信や反感をあらわにした書き込みがなされる。

そのような書き込みにこのような主旨のものがあった。

GoogleはYahoo!(YST)に比べて中小のサイトに対して不当に評価が低い。
Yahoo!は中小サイトに対してもきちんと評価をしてくれた。
しかし、Googleはamazonといった大規模サイトばかりを不当に優遇している。
これでは、予算が潤沢にあるサイトばかりが生き残るという事態になってしまう。

といった書き込みである。
それに対する賛同の意見もネット上には時々見られる。

私は決してGoogleが全て正しいとは思ってはいないが、上記のような意見は間違っていると考えている。
間違いと考えるポイントは3つ。
そのポイントのうち後の2つにはSEOの戦略を考える重要なヒントが隠されている。

1.Yahoo!は中小のサイトであっても正しく評価をする

Yahoo!はスパム判定のアルゴリズムがGoogleより弱かった。
スパム判定アルゴリズムの欠陥をついてやれば、上位表示できるという場合があったのだ。
スパム判定アルゴリズムの欠陥をつくというのは、スパムSEOで上位表示をするという意味である。

上記の書き込みをしていた人は、スパムSEOを意図していたわけではなさそうだった。しかし、結果的にそのような施策を行なっていた状態になり上位表示していたと考えられる。
これは、Yahoo!は中小サイトを正しく評価していたわけではないのである。

このようなだましはGoogleには通用しないので、結果的に順位が下がったにも関わらず文句を言うのはお門違いだ。

2.Googleは大規模サイトばかりを優遇する

さて、ここからが本題。

大規模サイトが優遇されるのは当たり前なのである。

私は検索エンジンの性質をこう例えることにしている。

検索エンジンはタクシーの運転手のようなものだ

タクシーの運転手に、
「買い物をしたいんだけどどこか連れてって」

と頼んだら、百貨店とか大型スーパーに連れて行くだろう。
具体的なニーズが分からなければ、とりあえずどんなニーズにも対応できるような選択肢を提示するのがプロの仕事だ。
その結果タクシーの運転手はそんなところに案内する。

検索エンジンもこれと一緒だ。
ビッグキーワードで検索をした時にはそれに関連する情報や、関連ページが多数存在する大規模サイトを上位に表示するのは当たり前であり正しいのだ。

ところが、もっと具体的なニーズを提示された場合を想定しよう。

「洋服を買いたい。」

とタクシー運転手に頼んだら大きな洋服屋に連れていくだろう。

更にもっと具体的に、
「カジュアルな洋服を買いたい。」

と頼んだら、カジュアル衣料の店に連れて行くだろう。

さらにもっともっと具体的に、
「ジーンズを買いたい。」

と頼んだら、ジーンズの専門店に連れて行くかも知れない。

小型店は品揃えで、大型店を凌ぐことはできない。
小型店は品揃えを絞り込むことで、初めて大型店にない特色を出すことができる。
自分の店が、近隣の大型店の100分の1の面積しかなかったとしても、何かに絞り込めばそこに勝機がある。

特定のアイテム(ジーンズだけとか)に絞り込むとか、客層を限定するとか、価格を限定する(全て1000円均一とか)とか、といった戦略である。

SEOもこれと同じである。
小さい特定のキーワードであれば、大規模サイトに対して勝機を得ることが十分可能である。
この点においてGoogleは実に公正に扱おうとしている。
先ほどのタクシー運転手と同じような考え方、言い換えればアルゴリズムで作られているのだ。

3.予算が潤沢にあるサイトばかりが生き残る

予算が潤沢にあっても、全てのキーワード、全てのテーマを網羅することはできない。

その昔、小売業の間では「包み込み理論」という言葉が流行した。

競合店が自分の店よりも小さい場合である。
競合店にある商品を全て自分の店に揃えてしまえば、それプラスαが自分の店にはあるので競合店に必ず勝つという理論である。
この理論は一時期かなり正しいと考えられ、百貨店などは大型化し、競合他店の品揃えを真似るようになった。

しかし、これは間違っていたのである。
結果として、大型店の品揃えは似たり寄ったりになった。
顧客層やアイテムを絞り込んで魅力的な提案を行う専門店に対して、大規模店は太刀打ちできないという事態を招いたのである。

SEOもこれと一緒だ。
キーワード全てを大規模サイトが網羅しようとしても、1つのテーマに特化した個人レベルの小規模サイトに太刀打ち出来ない。

また、更に言えばGoogleはこの点については公平であり、同一ドメインで検索結果を占めてしまわないように配慮をしている。
小規模サイトに対して広くチャンスを与えていると考えられるのだ。

自サイトの規模を考えて、適切な規模のキーワードやコンテンツを狙っていけばいいのである。
大規模サイトにない作りこんだ魅力的なコンテンツにより、その分野では大規模サイトを圧倒することは容易だ。
この点においてGoogleは非常に公正であり、実際の人間の行動に近いアルゴリズムとなっている。


今回は小売業の戦略とSEOの類似点について述べてみたが、小売業はマーケティングそのもので成り立っている産業である。
SEOはマーケティングである以上、小売業との類似があるのは当然と言えよう。

参考記事
この時代に知る「身近マーケティング」入門|Life Style MODELS

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2012/04/30 | コメント/トラックバック(0) |

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レコメンデーションこそ検索エンジンの本質だ


今回は検索エンジンの本質について書いてみたい。
タイトルであるが、

レコメンデーションこそ検索エンジンの本質だ

とである。
インハウスSEO担当者として有名なSEO村さんの「レコメンド欄が教えてくれた思考法」という記事を読み強く思うことがあったのだ。

ちなみにレコメンデーション(リコメンデーションとも言う)とは、オススメといった意味である。
Webの業界においては、今、何かのコンテンツを見ている人に対して、「これもどうですか?」というコンテンツなり、商品を表示することを一般的に指す。

※インハウスSEOについてもついでに説明すると、広報活動の一環として社内の人がSEOを行うことである。
ほとんどが長期的視点からSEOに取り組んでおり、SEOの効果がビジネスに直結しているゆえに、実践的な知識を持っている担当者が多いのが特徴である。

SEO村さん上記の記事は検索エンジンの本質を非常に深くついているのだが、この記事を読んだ人のほとんどは重要性に気がついていないと思う。
なので私はこのことについて改めて書いてみたいと思った次第なのである。

さて、できれば元記事をご覧頂きたいのだが、ここでは記事を要約してみよう。


amazon.comで折りたたみ自転車を見ると、レコメンデーションにハードディスクが表示される。
これはなぜか?
コンピューターシステムの運用担当者は、システムに障害が発生したときは現場に行かなくてはならないことが多いが、その際に自転車で行くのが最も確実な手段であったりする。
そのため折りたたみ自転車を買う人の多くは、システムの担当者が多い。
システム運用担当者はハードディスクを買うことが多いので、結果的にレコメンデーションにハードディスクが表示されるということだ


ここからユーザーの気持ちから発想しようという結論が導かれる。

さて、これを読んでどう思われただろうか?

Webでのマーケティングに限らず、全てのマーケティングにこれは言えることである。
また、SEOはマーケティングの一手法なので、SEOに適用するとどうなるのか?というのが私の述べたいテーマである。

実は、検索エンジンはレコメンデーションに他ならないというのが前からの私の考えである。

このキーワードに対しては、このページがオススメです

という、Web全体を対象としたレコメンデーションエンジンが、検索エンジンであるということだ。
そこで、検索エンジンをレコメンデーションエンジンだと考えると、明らかになってくることがある。

一般的にレコメンデーションを行うアルゴリズムには2つある。

1.ルールベース

この商品を見た人に対しては、このような商品をページを見せるというルールを、運営者側が手動で設定してレコメンデーションさせる。
例えば、

・「タラバガニ」を見た人に対して「ズワイガニ」や「帆立貝」を設定する
・「学習机」を見た人に対して「ランドセル」を設定する

といったような感じでルールを設定するというアルゴリズムである。

2.協調フィルタリング

この商品を買った人はまた別のそれを買っていることが多いという統計を取り、それをレコメンデーションする。
例えば、

・「タラバガニ」を買った人は、統計的に「ポン酢」「日本酒」を買っている人が多いというこれまでの統計があったとすれば、「ポン酢」「日本酒」が自動的に設定される。
「タラバガニ」を買った人の中で「ランドセル」を買った人がほとんどいなければ、「ランドセル」はレコメンデーションされない。といったわけだ。

この協調フィルタリングはamazon.comで有名な手法で知っている人も多いだろう。

この商品を買った人はこんな商品も買っています
という表示である。


レコメンデーションは先程述べたように、様々なマーケティングに内包される考え方だ。
そして、レコメンデーションの考え方はどのようにSEOに応用されるか?である。

1.キーワードの選定手法

1)集客したいテーマに関連するキーワード単位で、検索エンジンからの集客を狙う。

いわゆる普通のSEOである。

言い換えれば、自サイトに関連する特定キーワードでGoogleからレコメンデーションされるように狙っていくということ。
これは一般のマーケティングでもごく当たり前の手法だ。

例えば、テントを売りたい会社があったとして、アウトドアの情報誌に広告を出すようなものである。
これは普通のルールベースのレコメンデーションの考え方に近い。

2)直接は関係がないキーワードによって、検索エンジンからの集客を狙う。

協調フィルタリングに相当する考え方を取り入れて行うSEOである。
先ほどの例で言えば、折りたたみ自転車に関するキーワードで集客して、ハードディスクを売るといった手法だ。

1992年に紙おむつを購入する人は、ビールを購入する人が多いという有名な記事が発表された。
参照:おむつとビール - @IT情報マネジメント用語事典

この記事はマーケティングの関係者に広く流布した。それだけインパクトがあったということである。
紙おむつとビールという2つのアイテムの間には、先ほどの折りたたみ自転車とハードディスクのような関連が見出されなかった。それゆえに、統計手法によらなければ関連性は見出されないと考えられたからである。

現在は、紙おむつとビールについては、関連がないという検証データが提出されておりほぼ否定されている。
しかし、この記事がもたらしたインパクトは現在も生きているのだ。

2.コンテンツの作成内容

これも同様に、
1)集客したいテーマに関連する記事を作成する
2)直接は関係がないテーマの記事を書きそこに導線を貼る

といったことが考えられる。


後者の協調フィルタリングに相当する手法による集客は、少ない費用・労力で済む場合がある。
超激戦キーワード・分野でSEOを行う場合は競合が多く、かなり労力や費用がかかったりする。
ところが、この手法を使えば少ない労力で集客できコンバージョンが狙えるはずだ。

いわゆるブルーオーシャン戦略である。
競合者の多い、血みどろの戦いではなく、競合がいないオンリーワンの地位を築くことが可能となる。

では、具体的にはどうすれば、このような隠れた関連があるキーワードや、コンテンツを見出すことができるのだろうか?
これは非常に難しい問いであり確実な方法はない。というか、あったら誰も苦労しないのである。

と言うわけで、ヒントを挙げるにとどめておく。

1.行動ターゲッティング広告

これはまさしくこの理論を利用した広告手法であるが、狭い意味でのSEOからは外れてくるので今回は論じない。

2.ネットショッピングのレコメンデーション

これはSEO村さんの記事に書いてあるとおりだ。

3.マスメディアから情報を得る

テレビCM・雑誌などに掲載されている広告から情報を得ることができる場合がある。

製品のアンケートなどに、
「どんな雑誌を見ているか?どんな番組が好きか?」
といった解答欄を見たことがないだろうか。

これに基づいて、テレビCMや雑誌などに広告を出す場合がある。
全く違ったジャンルの雑誌などに一見場違いな広告が掲載されていたとしたら、それはこのようなリサーチの結果である可能性を考えてみるとよい。
これを利用するのはまさしく協調フィルタリング的手法であると言えよう。

4.ユーザーのネット上の行動履歴を用いる

自社が大規模サイトを運営している場合は、一人ひとりのユーザーの行動履歴から分析できる場合もある。
しかし、そのようなデータを使うことはできないのが普通である。
そのようなわけで、マーケティング会社が提供しているデータを試してみるのも一つの手だ。

月間の検索数を調べるといった用途で有名な、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・キュビットが提供するマーケギアといったシステムは使える可能性がある。
利用者の属性検索、流入流出ドメイン調査といったデータを読み解けば、ヒントが得られるかも知れない。


SEOにおいて協調フィルタリング的な手法を応用することは難しい。
しかしながら、ネットだけではなく広く情報収集のアンテナを張り巡らせることで、ブルーオーシャンにたどり着ける可能性がある。
挑戦してみる価値はあると思う次第なのだ。

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2012/04/23 | コメント/トラックバック(0) |

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6つのSEOを外注してはいけない場合


今回のテーマはまたしてもSEO業者に関する話題である。

SEOを外注してはいけない場合

である。
SEOを外注してはいけない場合はかなりあるものだ。
私は様々な人からSEOの相談を受けるが、
「それならSEOを発注してはいけません」
とアドバイスをせざるを得ないようなケースである。
意外にあるものだ。

1.何のためにSEOをするか目的が定まっていない

嘘のような話なのだが、目的が定まっていないという場合がある。
Web担当者がいなかった会社が社外から担当者を引っ張ってきた当初、
まずはSEOしなくては・・・。
などと意味がわからないことをWebの担当者が言い出すケースもある。

SEOの目標を明確にする必要がある。
あるいはSEOをする必要がないこともあるので熟慮が必要だ。

私は全てのWebサイトにおいてSEOが必要だとは考えていない。
取引先を新規で開拓する意図がないといった場合であれば、強いてSEOを行う必要はないのである。

2.サイトができていない

自サイトに訪問者があったとしても、アクションに繋がらない場合。

  • デザインやコンテンツの質が低い
  • サイト全体に信頼感がなくユーザーに不安感を抱かせる
  • 提供する商品やサービスの長所が明確になっていない
  • 申し込みフォームが正常に作動していない

色々なケースがあるが、上記のような欠点がある場合が代表的なものである。
嘘のような話だが、申し込みフォームが正常に作動していないなんてケースもままある。
これではいくら集客しても意味がない。
SEOを行う前にサイトは改善されなければならない。

3.SEOすべきキーワードを理解していない

キーワードの検索数を把握していなければ、SEOを外注しても意味がない。
お金をドブに捨てるようなものだ。
これまた笑い話のような感じだが、実際にあることだ。

「うちは、調理器具メーカーだから、調理器具ってキーワードで上位表示して欲しい。」

って言われるようなケース。
そんなキーワードで仮に上位表示したとしても、自社の顧客になる人は来ませんから・・・。

もう一つ、

「高性能 パソコン ってキーワードで上位表示して欲しい。これは我が社のブランディングのために必要。」

っていうような要望。
ほとんど検索数ないので、売上増にも、ブランディングにもつながらない。
やるだけ無駄ですから・・・。

極端な例のように感じられるが、実際あることだ。
(とはいえ、上記の例は実際の質問と少々ずらしてはある)

キーワードの有効性についてまったく理解がないのであれば、SEOの外注を行うべきではない。
※キーワードの選定から含めてコンサルティングしてもらうのであれば、良いかも知れないがそれでもあまりお勧めはしない。

4.現在のアクセス数・コンバージョン数を把握していない

これらを把握していなければ、費用対効果を測定することができない。
SEOを行なっても費用対効果に見合わなければ、施策を止めることを検討しなければならない。
しかしながら、現状把握ができていなければそれすらもできないのである。

5.Googleのウェブマスターツールについて理解していない

GoogleはWebサイトの運営者に対し、ウェブマスターツールという無償のサービスを提供している。
スパム的な施策を行ったとGoogleが認識した場合に警告を送ってくれたり、自サイトが検索結果に何度表示されたかといった情報を教えてくれる非常に便利、かつSEOにおいて基本となるサービスだ。
Webサイトの運営者はこれを日々使って、Googleから自サイトがどう評価されているかを把握する必要がある。
これをまったく使ったことがないならば、自サイトが現在どういう状況になっているか把握できていない状況にある。
まずは、ウェブマスターツールを使いこなさなければならない。

参考:Googleウェブマスターツールは基本だ

6.SEOスパムについて理解していない

SEOを外注した場合に、SEO業者が採る対策は千差万別である。
その対策がスパムかどうかを判断できなければ危険だ。
SEO業者はたいていSEOのプロであるが、顧客のサイトが成功するかどうかというところに責任を負ってはいない。だから、いい加減な対策を行なってしまうことも残念ながらある。
いい加減な対策の結果、上位表示すれば成果報酬をもらうことはあっても、ペナルティを食らって顧客のサイトが壊滅的な打撃を受けたとしても罰金を払う会社はまずない。
だからこそ、Webサイトの運営者は自衛する必要があるのだ。
下記の参考URLの記事を読んで、担当者が理解出来ないのであれば、場合によってはWebサイトの制作業者などに下記の観点に基づき助力を仰いだ方がよい。
自社の利益を第一に考えてくれて、助力してくれる人もいなければSEOを外注してはいけない。

参考:
SEO外注契約の8つの注意点
SEO業者の選び方
Google社公式記事 検索エンジン最適化(SEO)


SEOは金だけ出せばうまくいくというものでは決してない。
Webサイトの運営者側が主体的に関わる必要がある。
そもそもWebサイトというものは、運営者が主体的に関わろうとしなければ100%成功はありえない。
SEOはWebサイトの根幹をなす大きな要素だ。それゆえに、主体的に関わらなければSEOもうまくいかないのである。

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2012/04/16 | コメント/トラックバック(5) |

カテゴリー:introduction

ホームページリニューアル時に考慮すべきこと


今回のテーマは、

ホームページリニューアル時に考慮すべきこと

である。

・ホームページ制作業者の方
・ホームページ制作業者に発注される方

には是非ご覧頂きたい記事である。

さて、まず強調しておきたいのは、

ホームページリニューアルはSEOに取り組むいい機会

であるということだ。
ホームページをリニューアルする理由は様々あるだろうが、せっかくの機会なのでSEOを考慮してリニューアルすることを強くお勧めする。

デザインと集客力はホームページをビジネス的に成り立たせるための両輪だ。
集客力の要はSEOである(リスティングやソーシャルもあるが、今でもSEOは最も重要)。

ホームページ制作業者がホームページを作ることが多いが、正しいSEOの知識を持っていない。
えてしてホームページ制作業者は、デザインという観点のみからホームページを作ってしまう傾向がある。
すると集客力が得られず、ビジネスの目標を達成できない。

発注側がSEOの知識を最低限身につけて、要望する必要があるのだ。

ホームページのリニューアルを企画していて、SEOのことをご存じない方には特にこの記事の内容をご理解頂きたいと思う次第である。
(これがSEOに対する考慮の全てではないが、かなり失敗は防げるだろう)
今回の記事で書くことはサイト制作後では修正が難しく、制作前に充分に考慮しておかなければならないことを列挙してみた。

1.ロングテールキーワードでの集客を考慮する

これが一番重要かつ、最も難しい部分。
そのために必要なことは以下の3つだ。

1)集客の要としたいキーワードを検索エンジンに認識させること

例えば自ホームページで扱っている商材がコーヒーメーカーであれば、「コーヒーメーカー」というキーワードが重要であるということを認識させる必要がある。
ロングテールSEOは検索されるキーワードを自然に文章内に盛り込んでおけば、検索対象となって集客できるという理屈なのだが、

参考:ロングテールSEOの基本 No.3(記事難易度:易)

以前私は上記の記事を書いたのだが、ロングテールを意識して書くだけでは実際はあまり集客できないことがある。

「コーヒーメーカー」というキーワードをある程度強くしておく必要がある。
ある程度強くすることで初めて、

「コーヒーメーカー 急な来客 早く」
「コーヒーメーカー 作りたて 簡単」

といった組み合わせキーワードにおいて上位に表示されるようになる。
この程度の複合キーワードによる検索であっても、核となるキーワードをある程度上位表示されるようにしておかないと上位表示されないのだ。
これは内部対策だけで可能なレベルであるが、逆に言うなればある程度キーワードを狙って内部施策を行う必要があるということを意味している。

・自然な形で文章中に盛り込む。
・グローバルナビなどのアンカーに入れる。
・hnタグなどの中に入れる。

といった対策は必要だ。
このような作業まで、制作業者はSEOスパムだと考えてしまうことがあるが、それは間違いである。
サイトのテーマを検索エンジンにきちんと伝えることは、ユーザーの利便性のために必要であり、正当な行為なのだ。

2)ユーザーが検索するであろうキーワードを予測してコンテンツを作る

前述のURLの中にも述べたように、ユーザーのニーズを満たすためのコンテンツを作ることが重要で、それがひいてはSEOにつながるわけだ。

3)コンバージョンにつながるコンテンツを強化する

アクセス解析を行ない、コンバージョンにつながっている割には検索順位が低いキーワードがあれば、それを強化する。
キーワードが含まれているページのコンテンツボリュームを質・量ともに強化するのである。
質というのは、独自性のある情報を詳しく盛り込むことだ。
量は、ページ数を増やすあるいは、ページ内のボリュームを増やし詳しくすることである。

2.重複コンテンツをできる限り排除する

意図してほぼ同じコンテンツを作るのは論外だ。
例えば、地名だけを変えて、

「世田谷区 ピザ宅配」「杉並区 ピザ宅配」「中野区 ピザ宅配」

といった類似ページである。中身がほぼ一緒で、地名だけ違うといったページを作ってしまうというケース。
中途半端にSEOの知識をつけるとこういうことが起きる。当然これは駄目だ。

また、意図してなくても重複コンテンツが大量にできてしまう場合がある。
ページ遷移などを検討して、ほぼ同じ内容で別のURLのページができないかを詳細に検討する必要がある。
意識していなくても重複コンテンツが起こってしまうケース、対応方法については、下記の記事が参考になる。

Googleウェブマスターツールヘルプ 重複するコンテンツ(記事難易度:やや難)

この記事はSEOの初心者にとっては難解であるが、非常に要領よく簡潔に書かれているので理解するべきである。この内容は特にホームページの制作会社、CMSを構築するシステム会社にとっては知識として必須だと思う。

3.ディレクトリ構造を考慮する

基本的にディレクトリの深さと、上位表示のしやすさには関係がない。
しかしながら、ディレクトリはコンテンツのまとまりを表現したほうがよい。
同ディレクトリ内には、同種のコンテンツをまとめることで、検索エンジンに対してテーマをより明確に伝えることができる。また、その後のホームページのメンテナンス性を向上させることができる。

参考:理想のディレクトリ構造とは(記事難易度:易)

4.コンテンツに対してのリンクを浅くする

トップページからリンクを何度もたどらないと、たどり着かないコンテンツに対しては、検索エンジンもたどり着けないケースがある。
当然ユーザーもそのページにたどり着きにくく、利便性も悪い。
利便性、検索エンジンの到達しやすさ、この2つの観点から、なるべく少ない回数で全てのコンテンツに辿りつけるように考慮しよう。
できればトップページから3クリック以内で到達できるように工夫したい。

5.消滅したコンテンツのページランクの受け渡し

リニューアル後、なくなってしまうページについては、301リダイレクトを行い、消滅するページがもともと持っている評価を新しいページに受け渡さなくてはならない。
301リダイレクトを行わずにページをなくしてしまうと、そのページがせっかくもっていた評価が消滅してしまうことになる。とてももったいない。

参考:正しいSEO相談室 | サイトのリニューアルやサーバーの移転時にチェックしておきたいSEO要件とは(記事難易度:普通)
サイトリニューアル時のSEO Tips(記事難易度:難 SEO初心者は読まなくてもよい)

6.CMSの導入の検討

これからのSEOはナチュラルリンクを抜きにしては語れない。
ナチュラルリンクのためには、オリジナリティのあるユニークなコンテンツが必要になってくる。
そのためには、ブログのように気軽に追記できるページをサイト内に作っておく事が、選択肢として真っ先に考えられる。リニューアル時には同一ドメイン内でCMSの導入を検討しよう。
これは必ず同一ドメインでなくてはならない。
無料ブログを使った場合、もし人気コンテンツができたとしても、評価が上がるのはその無料ブログを提供しているサイトそのものであり(例:アメブロ、ライブドアブログ)、自サイトの評価にはつながらない。

もし、現在使っているWebサーバーがCMSの導入ができないといった場合は、移転も検討しなくてはならないかも知れない。
5年ぐらい前から同じWEBサーバーを使っているという場合、容量が非常に小さく、値段も割高で、かつCMSの導入もできないというケースがある。このような場合はWebサーバーを引っ越すことにはメリットが非常に大きい。但し、問い合わせフォームなどがそのままでは動作しなくなったりするので、熟慮は必要である。


ここまで書いてきたが、考慮が面倒だと思われただろうか。
確かに面倒ではある。しかし、これはいい機会なのだ。リニューアル時しかこれらの改善を行うことは難しいからである。
ここで手間をかけただけの見返りは必ずあると断言するのである。


参考:
サイト構造の設計
内部施策に詳しい片川創太氏の記事であり、ホームページリニューアル時の考慮がかなり網羅されており必見である。

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2012/04/09 | コメント/トラックバック(2) |

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更新日変更のお知らせ

当ブログSEOとその周辺ですが、毎週月曜日の午前中に更新を行なっております。
しかし、今回はエイプリルフール企画、

SEO小説 カニのオマージュ

を4/1(日)に掲載したので、月曜日の掲載はありません。
是非、「SEO小説 カニのオマージュ」をご覧下さい。

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2012/04/02 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:AprilFool

SEO小説 カニのオマージュ


SEOコンサルタントという職業についているらしい好子はタラバガニだった。
コンサルタントとは何か彼女は知らなかったが、名刺には、

「株式会社ネット SEOコンサルタント 佐藤好子」

と書いてあるので多分そういう職業なのだろうと彼女は思っていた。

彼女は去年、北海道の海辺にある大学を卒業しそのSEO会社に就職した。
とてつもない就職氷河期である。
ましてや彼女はタラバカニだ。
約100社に応募し唯一採用されたのがその「株式会社ネット」だった。
そもそも彼女はSEOって言葉すら知らなかったのだが是非もなかったのである。

彼女はいまだにSEOとは何かよくわかっていなかった。

まず入社して初めての仕事は電話だった。
職業別電話帳をめくって上から順番に電話をしていく。
アポイントが2件取れるまでは帰ってはいけないというルールである。

朝9時から電話を始めて、アポイントが取れないと夜の12時までひたすら電話。

「そんな夜中に電話するって非常識じゃないですか!」
と、食い下がった新入社員もいたのだが、
「いつ何時、SEOしたいって思い立たないとは限らないじゃないか!
会社の宣伝会議が長引いてインターネットに力を入れようって結論が夜の11時にあるかも知れないぞ。
その時にうちが電話すれば受注が取れるじゃないか。翌日じゃ遅いかも知れないんだよぉ。」
「・・・」
「別に文句があるなら辞めてもいいんだよ。替りはいくらでもいるんだ。」

12時になると解放されるのだが、その後営業日報を書いてダッシュで終電に乗る。
しかし、そこはタラバガニの悲しさ、動きが遅いので乗り遅れることもしばしばだった。
そんな時は会社で仮眠をとり、そのまま翌日仕事。

「もしもし、株式会社ネットの佐藤と申しますが。
お世話になっております。
当社は御社のホームページをグーグルで検索した時に、
必ず上位に表示するというサービスを行なっております。
御社の知名度が上がって、
売上アップにつながるお話ですので、
ホームページのご担当者様をお願いします・・・。」

朝から晩までこんな感じで電話。
ほとんど話しを聞いてももらえず、結構ですと切られてしまう。

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2012/04/01 | コメント/トラックバック(2) |

カテゴリー:AprilFool

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