何も知識がないのに企業のホームページ担当になってしまったら

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知識が何もないのに、企業のホームページ担当になってしまうというケースはよくあることだ。
零細企業であれば、たいていホームページ担当者は最初はそんな感じである。

従業員の数が50人ぐらいいるようなそこそこ大きな会社であってもえてしてこんなことが起きる。
単にパソコンが得意だからっていう理由でホームページの担当者にさせられてしまうのである。

パソコンが得意だ。

といってもYoutubeの面白い動画をよく知ってるとか、Yahoo!オークションでものを売り買いしているとか、パソコンの自作が好きとか、そんな理由でパソコンが得意という評価になったりする。
パソコンの自作をするなんていうと、一般の人から見てとてもとてもすごい技術だと勘違いされるかもしれない。
実際はねじ回しだけ以外不要の組み立て家具よりも簡単だ。
こんな理由でホームページ担当にさせられてしまうことはあり得る。

まったくホームページの知識がなくて
担当になった場合どうすればいいのか?

である。
ホームページに関する技術は非常に広く、そして深い。

デザインをするデザイナー、デザインをホームページとして実現するコーダー、検索から集客する技術としてSEO、検索連動型広告から集客するSEM・・・、ホームページに来訪した人の行動を分析して改善計画を作るアクセス解析・・・

といったように、ホームページをビジネスとして成立させるために必要な技術の要素は多岐にわたり、それぞれその分野だけで食っている専門家が存在している。
全ての分野において専門家になるのは不可能だし、一つの分野だけでも極めるのは容易ではない。

ホームページをビジネスとして成功させようとしたならば、容易ではないにもかかわらずこれらのスキルがすべて必要だ。
大手企業ではこれらの技術を持った専任担当者をそれぞれ雇っていることも普通だ。

中小零細企業であったとしても、大手企業でもホームページに求められるものは同じである。
結局のところどのレベルを求めるか?という差であろう。
しかし、中小零細企業であったとしてもすべて大手に劣っていていいわけではない。

中小零細企業も大手企業も同じ土俵で戦えるのがインターネットの世界だ。
創意工夫と努力によって大手と対等に戦いうる。
全ての分野では対等に戦えなくても、限局化した局面では大手企業を圧倒することも可能だ。

実は大手企業であってもすべての要素において、優れた運営をしているわけではないことがほとんどであり勝てないということはない。

とは言え、全然知識がなければどうすればいいのか?

最も重要なのは

ホームページに対してどれだけの期待を会社は寄せているのか

を見極めることだと思うのだ。
たいてい中小零細企業のホームページ担当者というものは、他の業務と兼任である。
総務や経理といった事務業務と兼務だったりするだろう。

現在の仕事だけで余裕がなければ、ホームページの運用まで手が回らないはずだ。
ならば、運用の業務についてはそれがうまくいかなくても、責任が自分に及ばないようにするのがまず第一選択肢だと思う。
でも、それを気にする必要はない。しょせんその程度しか会社は期待していないのだ。

ユーザーからの問い合わせメールにだけはきちんと対応するが、それ以外は業者に丸投げして、自分が非難されないようにするべきだろう。
消極的に見えるが、そもそも主業務をおろそかにしたら怒られてしまうのであれば仕方があるまい。

※自分のスキルアップのためにサービス残業して頑張るというのであればそれはそれでいいと思う。

それとは逆に会社が期待をしており、ホームページの運営業務にそれなりに時間を与えてくれ、成果を出すことが自分の評価になるのであればやらねばならない。

そんな立場になってしまった人に伝えたいことがある。

「ホームページの運営っていうものは成果が見える楽しいものだ」

ということだ。
自分がやったことが成果として反映する面白い業務であるということをまず知ってほしい。
やらされ仕事と思ってやると苦痛だが、自分で主体的に取り組めばこれほど面白い仕事っていうものもなかなかない。
創意工夫が自分の成果として反映する、そんな仕事はあまりないだろう。

私ならこういうことを担当者にお勧めするのだ。

1.ホームページの運営にかかわる全ての分野についての全体像を把握する

このような本はおすすめである。
上記のようなホームページの運営に必要な様々な基礎知識をたった1冊に凝縮して解説した本である。
6人の共著からなるのだが(ほとんど大阪人なのは単に偶然・・・ではないだろう)、著者がその分野の第一人者であり、網羅的に解説された良書だ。
この本をまずは読むことをお勧めしたい。

2.他社のホームページを多数見て自分なりに感覚を養う

デザインのどこが気に入ったか?気に入らなかったか?
様々な情報に対してスムーズにたどり着けたか?

といった点を簡単に文字としてまとめながら見ると、漫然と見るよりも自分なりの視点が養われるようになるだろう。
毎日同業者や、他業者でも自分の会社と同じぐらいの規模の会社などを見たりすると得るものがあるはずだ。
ずっと継続すると、力がついていくだろう。

3.HTMLとCSSは最低限勉強する

1冊でいいのでHTMLの本を買って勉強しよう。
少しはホームページを自分でも作れないと話にならない。
外注するにしても、少しはわからないとまったく業者の仕事の良否の判断が全くできない。

4.SEOとリスティングを勉強する

SEOに関しては無料のいい情報源がある。
Google 検索エンジン最適化スターターガイドというコンパクトにまとまったGoogle社の公式のガイドブックがある。
これを読めば正しい基礎知識を得られる。
怪しい有料の情報源を読むよりはるかによい。

多忙な企業のホームページ担当者はこの程度知っていればまずまず充分だろう。
これを読んで、ホームページを増強すればそこからアクセスを集められるようになるはずだ。

リスティングは少々費用は掛かるが、月間10万円程度予算をかけられるのであれば、即効性のある方法である。
1ページだけでもきちんと自社の製品やサービスの他社にない良いところをきちんとアピールするページを作り、そのページにリスティングで誘導すれば成果が出るのが早い。
日々、改善することでどんどん良くなるのがリスティングの面白いところで、まるでロールプレイングゲームみたいな感じだ。


1.~4.までの過程にはどれくらい時間をかければいいのか?
一通り勉強するのに3か月程度だろうか。

3か月後には、リスティングなりSEOなりで集客するための施策を始められるのではないかと私は思っている。

大変だと思うのだが、これほど手ごたえがあって面白い仕事っていうものもなかなかないと思う。
是非頑張ってほしいと思う次第である。

参考ページ:

やる夫が企業サイトのSEOに挑戦するようです
4年前の記事だが、マンガになっており面白くわかりやすい。今読んでも十二分に通用する内容である。

零細企業のSEO

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