今回はSEOそのものではなく、検索エンジンはどこに向かっていくのかを予言してみたいと思う。
Googleの電卓機能により、「42」と表示される。
これは一種の高尚なジョークなのだが、
(このジョークの意味を知りたい方は人生、宇宙、すべての答えは「42」を御覧ください)
これはGoogleが到達すべきだと考えている、究極的な目的地を示している。
現在は、
「キーワードが含まれているページの中でユーザーのニーズに合致しているであろうページを表示する」
という機能を持つサービスが検索エンジンと呼ばれている。
ところが、実際に検索をしたい人はページそのものを見たいのだろうか。
「富士山 高さ」
と検索すると、富士山の高さについて言及されているページが多数表示される。
しかし、真にユーザーが知りたいのは富士山の高さにまつわる情報ではなく、富士山の高さそのものであろう。
「聖徳太子 生没年」
と検索すると、聖徳太子の略歴などが表示されるだろう。
しかし、略歴が必要なわけではなく、ユーザーは生没年を知りたいだけである。
「渋谷 美味しいラーメン屋」
と検索した場合、渋谷のラーメン情報が表示されるが、ユーザーはそのコンテンツを読んで、内容を取捨選択する必要がある。
Googleは情報の交通整理に大いに役立っているが、いまだに一つの解だけを示すまでには至ってない。
キーワード検索にはそもそも限界がある。
「幅が60cm以下の本棚」
を検索したいといったニーズに応えることはできない。
これらの問題点には共通点がある。
つまり、
「キーワードを意味として認識していない」
ということである。
Web3.0という耳慣れない言葉がある。
Web3.0なるWebのイノベーションとして重要な位置を占めるのが、セマンティックウェブであろうと言われている。
これは文章の中に意味をもったデータを埋め込むことによって、意味のあるデータとして文書を取り扱う技術、方法などの総体を指す。
もしセマンティックウェブが実現したら、上記のような「富士山の高さ」「聖徳太子の生没年」「渋谷の美味しいラーメン屋」「幅が60cm以下の本棚」といったものを即座に知ることができるようになるだろう。
現在、セマンティックウェブへの取り組みが現在Googleなどによって急速に進められている。
レシピ、レビュー、商品、店舗などについてデータの意味化が始まっている。
主にページの製作者が明示的にページに埋め込む、あるいはGoogleに登録するという方法である。
私は、数年後という近い将来、文章をGoogleが自動的に解読することによって、セマンティックウェブが普及するようになるのではないか?と考えている。
これによって、
2.生没年から人名を逆引きする
3.地域の中で特定のジャンルで美味しい店を上位順に表示する
4.大きさを指定するとその中に入る家具を表示する
といったことができるようになるだろう。
これによってインターフェースも劇的に変わるだろう。
これは千趣会が運営している家具を検索するための実験サイトである。上記の4を検索するという好例だ。
家具を収納するスペースをマウスで変化させるだけで、該当の家具が表示される素晴らしいインターフェースである。
実際に裏側にあるのは、縦・横・高さという情報なのだが、それらを入力させるという必要もなく、直感的にわかりやすく実用的である。
セマンティックウェブが進展すると、このような直感的なインターフェースが普通になるだろう。
家具にとどまらず様々な切り口において、自動的にウェブサイトを分類、抽出し、答えだけを表示するのだ。
例えばこんなインターフェース。
画像素材販売のアマナイメージズのインターフェースが非常に興味深い。
写真を感性という観点から分類し選択表示を行うことができるのだ。
少々わかりにくいのだが、上記の画像からリンクした先のページの上部にENTERがあるので、そこから画像検索を行うことができる。
是非やってみていただきたいのだが、
「可愛い感じの写真が欲しい」
っていうような漠然としたニーズに応える事ができる検索である。
まさに答え、あるいは答えの候補を指し示すサービスだ。
セマンティックウェブは、インターネット検索、ひいてはインターネットそのものを根本から変えるであろう。
しかし、Googleがコンテンツの内容を理解して、様々な確度から自由自在に、ニーズに即した答えを導いてくれるまでにはまだ時間がかかる。
「人生 宇宙 すべての答え」
をGoogleが知るには時間が必要だ。
しかし、着実にその答えに向かおうとしているとしている。
その過程において、近い将来インターネット検索は根本から変革されるだろう。
変革がなされた時SEOはどうなるか?
SEOはその時、死ぬであろうと私は予言するのである。
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