飲食店のWeb販促戦略

superficial

今回のテーマはニッチだ。

飲食店のWeb販促戦略

である。
こんなテーマについて書いてみたくなったのだ。

飲食店であるが、

  1. 店を利用するためにわざわざ長時間をかけて移動することは極めてまれ
  2. チェーン店でもない限り全く同じ料理は基本的に存在しない
  3. 口コミの影響度が大きい
  4. 他店と差別化できるポイントが数多く存在する
    味、器、量、盛り付け、値段、栄養、利用シチュエーション、営業時間、食器、内装、サービス、駐車場の台数
    等々


といった特徴がある。

当ブログはSEOをテーマにしているのだが、飲食店においてはSEOは販促戦略のごく一部にしか過ぎない。

「店を利用するためにわざわざ長時間をかけて移動することは極めてまれ」

こういう特徴があるため、SEOの効果は限定的だと考えられる。
SEOは全世界を対象に広く安いコストでPRできるのだが、そのメリットはあまり生かせない。
※もし、飲食店で効果的なSEO手法をご存知の方がいらっしゃったら教えていただけると大変ありがたい。

SEO以外の戦略が非常に重要である。

では、どのような戦略を取るべきなのか?

1.店を利用するためにわざわざ長時間をかけて移動することは極めてまれ

これから考えると、Googleマップに表示されるようにすることは大きなメリットがある。
「Google+ローカル」というサービスが先週(2012/5/31)から開始されたが、これに取り組むメリットは大きい。

Google+ローカルについては、下記の鈴木謙一氏の記事が詳しい
Google、Google+とプレイスページを統合した“Google+ ローカル”を公開

自分が知らない場所に行った時に、Googleマップで店を探す人は多い。
スマートフォンや携帯電話で自分がいる位置から近い店を探す。
このようなケースでは、検索結果に表示された店に実際に足を運ぶ可能性は非常に高いのだ。

やって損のない対策である。

あと、見落としがちなことがある。
普段通りかかる道などにある飲食店に興味があっても、実際に初めての店に入るには勇気がいるということである。
値段、メニューなどがわからないと怖くて入れない。
もし、ホームページなどで十分な情報を開示しておけば、その店の存在を知っている人に対して親切であると言える。
(もっとも店頭にてこのような情報はわかるように開示することも重要ではあるのだが)

2.口コミの影響度が大きい

飲食店は口コミ産業である。
飲食店にとって立地条件は死活的に重要であるが、非常に不便なところにある店でも繁盛店が少なからず存在している。
口コミによってわざわざ来る客を増やすことができるのもこの業種の特徴だ。
一般の小売店と違い、他の店と売っているものが違うからである。

そうは言いながらも、良心的に営業し安くよい料理を提供しているにも関わらず、口コミで客数が十分に伸びる前に運転資金が尽き、廃業に追い込まれる店舗は非常に多い。
口コミで客数を伸ばすには時間がかかるからだ。

しかし、ネットによってこの時間を大きく短縮させる事ができる。

近年ステルスマーケティング(ステマなどとも呼ばれる)が話題になり、口コミサイトの信ぴょう性について疑問視されるようになってきたが、依然としてネット上の口コミには価値がある。
自店の味、サービスについて自信があるならば、積極的に口コミしてもらう方策を考えたほうがよいだろう。

店内のPOP、レジのところに置く店舗紹介の名刺などに、口コミを広めて欲しいということを書くのも手である。
・Twitterのフォロー
・Facebookのいいね
・Google+の友達
・メールマガジン
などに登録してくれたら、何かサービスするといった販促手段もよい。

※いい口コミを書いてくれたらサービスするという手法をとっている店もあるようだが、これは避けるべき。その手法自体を口コミサイトに書かれたら、信用を大きく失う可能性がある。

Google+ローカルが口コミ情報を掲載する仕組みになっているので、なおのこと取り組んでみるのは面白いだろう。

2.チェーン店でもない限り全く同じ料理は基本的に存在しない
3.他店と差別化できるポイントが数多く存在する

これこそまさに飲食店の面白いところだ。
他の小売店にないポイントである。
もし、自分が八百屋をやっていたとして、隣に大型スーパーができ、品揃え、価格で圧倒されたら対抗するのは非常に難しい。
ところが、自分が経営する飲食店の隣に大手飲食店チェーンの店ができたとしても、問題ない可能性が高い。
規模のメリットが生かせない業界なのである。
規模が大きくなればなるほど、店舗間の品質を一定化するために個性化することが難しくなるのがこの業種だ。

個人でやっている店であれば、アピールすべきポイントはたくさんあるはずだ。
それをホームページやブログでアピールすべきである。

食というものに何かのこだわりがあるから、飲食店を経営するわけだろう。
そのこだわりをブログなどにぶつけたらいい。
共感した人は来客する。
全員に好かれようとする必要はないのだ。

私は昔からアナウンサーの吉田照美氏のファンであるのだが、氏は嫌われることを恐れないのだという。

誰からも好かれようとすると、誰からも好かれない。
嫌われることを恐れず、言いたいことを言うと一部の人からは大きく共感してもらえる。

これが本質であろう。

一般的に自社のサービスに関係のない話題を、自社ブログに書くことはテーマが散漫になるため、SEOという観点ではあまり好ましくない。しかし、飲食店はサービス業であるため、店主の人柄が客を呼ぶという部分がある。
店主に興味を持ってもらえれば、来客につながる可能性がかなり高い。

関係のない話題であっても、人柄がわかるようなブログ記事を書くべきだと思う。そうして、ソーシャルメディアで交流をするべきだ。
(とはいえ、政治や宗教の話題といったデリケートな話題については触れないほうがよい)
そうして、コンテンツがシェアされるようになったら、口コミは急速に広まる可能性が出てくる。
下記の記事などは非常に参考になるだろう。

どうすればあなたのコンテンツはシェアされやすくなる?6+6のTips


今回は飲食店のWeb販促戦略というニッチな分野の記事であった。
飲食店は非常に大変な業態である。他の業態と違い、開店前や休日にも仕込みがあったりして、忙しい大変な仕事だ。
いかに時間を作りWebに取り組むか。
貴重な時間を割いてWebに取り組むにあたり、この記事が少しでも集客に役立てば幸いである。

コメント

  1. […] 田村さんもおっしゃっていますが、SEOは販促戦略上では小さいウエイトしかありません。 当たり前ですが、飲食店なら味、美容院ならカットの技術などが大前提ですし、それが出来ていれば、クチコミが勝手に広がります。SEOとその周辺の「飲食店のWeb販促戦略」の記事の中で、 […]

タイトルとURLをコピーしました