今回のテーマであるが、
である。
検索エンジンとは一言で言えば、
- 検索キーワードに関連するコンテンツを全てピックアップし
- コンテンツを評価して点数をつけ
(検索キーワードに関して必要十分な情報があるかという観点での評価) - 点数が高い順番に表示する
といった仕組みである。
理解するためにこんな想定をしてみよう。
手元に1000個の様々な内容の印刷物がある(以下コンテンツと呼ぶことにする)。
ボリュームはまちまちで、数百ページにも及ぶ長いものから葉書サイズのごく短いものまで様々。
また、内容の質についても役に立つものから、全く何の役にも立たないレベルまでこれまた様々だ。コンテンツには全て「タラバガニ レシピ」というキーワードが含まれており、このキーワードでの順位付けを行う。
順位の高いコンテンツから順に10位まで賞金を授与するものとする。
自分だったらどう順位付けするかを考えてみてもらいたい。
前提条件として料理は苦手であり詳しい知識はないものとする。
1.一番最初に考えるべきことはあまり意識されないことだが
「タラバガニ レシピ」というキーワードの意味を考えることである
これはほぼ自明だ。
タラバガニのレシピとして価値が高いということを評価するということだ。
レシピの原稿をワープロ入力する仕事のアルバイト情報などは、あまり意味がないということが理解される。
2.関連性を意識した上で読む
自分が順位付けをする以上は中身を見なければ始まらないはずである。
真っ先に料理に関係のないコンテンツは機械的に省くはずだ。
例えば、「タラバガニのレシピ30選 田村出版 A2番書庫所蔵」などと書いてあるだけのコンテンツなどである。
次に省くのはほぼタラバガニの料理法と関係ないコンテンツだ。
「お歳暮でタラバガニをもらったが、レシピなんか全然知らないので隣の奥さんにすぐあげてしまった。」
いくら中にオリジナリティのある文章が書かれていたとしても、コンテンツはレシピとしては意味がないため省くだろう。
問題はその後である。
3.自分で内容を評価する
レシピが載っている中での優劣をつけなければならない。
3行程度の説明しかないコンテンツより、詳しく具体的に書いてある方を評価するはずだ。
レシピが1つだけ載っているコンテンツよりも、たくさん載っているコンテンツを評価するだろう。
料理の知識がほとんどない前提においては、判断の基準は内容の充実度となるであろう。
しかし、こんなコンテンツがあったとする。
つぶしたタラバガニを電子レンジに移します。
生クリーム200cc・卵2個・砂糖大さじ5・オリーブオイル300cc・パン粉100gを加え、
湯煎しながらトロリと角が立つまでよく混ぜます。
一口大に丸めて串に刺し40度の油で120分揚げます。
皿に盛って青のり、ハバネロソース、細かくちぎったキッチンペーパーをたっぷりふりかけて完成です。
中に出てくる用語は全て料理用語で、材料も料理に使うものばかりである。
極端な例ではあるがまったく料理を知らないのであれば、こんなレシピも重要であると判断してしまう可能性がある。
4.他人に内容を評価してもらう
他人に協力してもらい評価してもらうことも考えるだろう。
但し他人に報酬を払うことはできないので、ボランティアでやってもらうしかない。
なので、全てのコンテンツに対して評価がつくわけではない。
自分が知っている人や、料理に詳しいと評判の人が評価してくれる場合もある。
しかし、知らない人の評価はコンテンツを作った人から買収されている可能性もある。
なので、知人ではなかったり、評判を知らない人からの評価は割り引いて考える必要がある。
買収されているということが何らかの方法で分かった場合は、
- その人からの評判はまるっきり無視する
- 買収されている人から推薦されているコンテンツは、不正なものとして全て却下する
いずれかの対処を迫られる。
さて、以上で検索エンジンの考え方はほぼ説明できる。
検索エンジンが直面している問題や、検索エンジンからどのように評価されるかはほぼ理解できるはずである。
検索エンジンが評価するポイントは大きく分けて2つある。
- 内部要因
- 外部要因
内部要因はコンテンツの中身であり内容の充実度などから行う判断。
内部要因を改善することによって検索エンジンからの評価を高めようとするSEO手法を内部施策という。
外部要因は他人からの評価からの判断。
その分野で評価の高いサイト、有名なサイトからリンクという形で推薦してもらうこと。
それが無理であったとしてもとにかく推薦をもらう。
場合によってはサクラを動員する。
これらをひっくるめて外部施策という。
現在、内部要因と外部要因では、内部要因からの判断が重要になってきている。
検索エンジンはコンテンツの濃さ、薄さを判断できるようになってきたからだ。
「2.関連性を意識した上で読む」
このレベルまでは検索エンジンはクリアすることができるようになった。
しかし、限界がある。
検索エンジンはあくまで人間ではないため、文章が意図するところを理解することはできない。
内容は一見充実しているものの嘘ばかり書いてある、あるいは役に立たないコンテンツを見分けることは根本的には不可能。
「3.自分で内容を評価する」が難しくインチキレシピを見分けることはできないように、検索エンジンにも難しいのだ。
従って、「4.他人に内容を評価してもらう」に相当する、外部要因は今後も重要性を持ち続けるはずである。
検索エンジンがコンテンツの正当性を評価できるようになるのははるか先の話だ。
少々脱線するが人工知能の話をすると、コンピューターというものが発明されてから現在に至るまで、根本的な部分においては進歩していないと言われている。
コンピューターと人間の知性を区別する重要な点は、枠組みを超える判断ができるかどうかにかかっていると言われ、これをフレーム問題という。
この点において根本的な解決がなされておらず、また解決の見通しもまったくない。
検索エンジンがコンテンツを理解するためにはフレーム問題を突破する必要があり、これは現状不可能あるいは遠い未来の話しであろう。
コンテンツの濃さを判断することはできても、コンピュータにはコンテンツそのものから内容の正当性や価値を判断することはできない。
それができるのはあくまで人間だけである。
言い換えると外部要因の評価がない限り判断はできないのだ。
こう書くとコンテンツはいくらでもデタラメを書いていいと誤解されるかもしれない。
なので補足しておくと検索エンジンで上位に表示されたとしても、間違いだらけのコンテンツはやはり駄目である。
もし、ページに来訪があったとしても信頼が得られないので、問い合わせを得るといった目標を達成することはできない。
そして、当然のことながらリンクも集まらない。
だから駄目なのだ。
脱線が長くなった。
外部要因は重要であり続けるであろうというのが私の考えである。
では、外部要因について人為的であるかどうかを見分けることはできるのか?
こちらは技術的にかなりの精度まで見分けることが可能である。
先ほどの例に即して言えば、コンテンツの充実度が低いコンテンツに対して評価をしている人は、サクラである可能性が高いといったような様々な観点からの判断が可能だ。
結論として
コンテンツの充実度・信頼度をかなり高い精度で検索エンジンは評価することができる
内部要因の改善としての内部施策、外部要因の評価である外部施策はSEOの両輪であると言える。
この2つをたえず押し進めていく施策がSEOであるのだ。
コメント
いつも拝読させて頂いております。
たとえがわかりやすく,&ユニークで
内容にも大いに賛同しております。
シェアしたくなる内容です。
ご覧いただきありがとうございました。
例えについてはわかりやすくするつもりで書いたつもりだったのですが、結構グダグダな感じになってしまったと思ってます。
それでもわかっていただけたというのがとても嬉しいです。
今後とも宜しくお願いします。
[…] とその周辺の検索エンジンになったつもりで考える内部・外部施策で解説されています。 […]