アフィリエイトと企業のSEO戦略はどう異なるか

introduction

スーパーアフィリエイターという人々がいる。
月に数百万円以上の収益をアフィリエイトから得て生活しているような人々である。

このような人々とソーシャルネットワーク上でやりとりをしたり、たまにではあるが実際にお会いして話をすることもある。
話をしてみると、SEOの知識の深さに舌を巻く。

そんじょそこらのインチキSEOコンサルタントなんかとはレベルが全然違う。
アフィリエイターにとっては理論とか倫理とかは割とどうでもよくって、結局のところ「儲かるか儲からないか」が重要だ。
きれいな言い方をすれば「ビジネスとして有用であるかないか」と言ってもいい。

でもそんな言い方はどうでもよくって、私は儲かるか儲からないかがSEOにおいては重要だと思っている。
ホワイトハットを推奨しているのも長い目で見ればその方が儲かるからで、別に倫理的にうんぬんしているわけではない。

アフィリエイターは集客で食っているわけであって、集客できなくなれば食えなくなる。
SEOは死活問題なのだ。

それに比べるとSEO業者のSEOの業務は正直かなりぬるいと思う。
日本のSEO業者のビジネスモデルの多くは成功報酬型のSEOである。

上位表示できれば課金するが、上位表示できなければ課金しない。
このビジネスは一見SEO業者にとっては真剣勝負に見える。

しかし、実際はぬるいのである。
たくさんのキーワードを受注すれば上位表示することもあるので、高めに成功報酬を設定しておけば時おり上位表示したキーワードから多くの収益を得られる。
それで会社の経営としては成り立つのだ。

あるいは月額固定のリンク提供であれば、上位表示しなくても収益が得られる。

SEO業者のほとんどはただリンクを張るだけで生きてきたのだ。
なので、その中で仕事をしているSEOコンサルタント(と名乗る多くのSEO担当者)は、リンクを貼る以外のスキルを必要とされてこなかった。
しかも、絶対に上がらなければならないというプレッシャーもない。

そのような環境で仕事しているSEOコンサルタントとアフィリエイターでは差がつくのは当然だ。

SEOコンサルタントがお公家さんだとしたら、アフィリエイターは野武士のようなものだ。
アフィリエイターは日々戦って生きている。
SEOの知識、技術が並はずれているのは当然すぎるほど当然なのである。

では、

アフィリエイターが企業のSEOをやったらどうなるのか?

であるが、必ずしもいい結果をもたらすとは限らない。

というのが今日のテーマだ。
アフィリエイトと企業のSEOは完全に真逆の戦略であると私は考えている。

一言で表現すると、

アフィリエイトは狩猟民の戦略
企業のSEOは農耕民の戦略

である。

アフィリエイトはここで戦わなければならないという場所の制約がない。
まだ競合が少ない場所をいち早く見つけて、スピード勝負で刈り取る。
新しいビジネス領域や、競合が少ないキーワードを発見していち早く殺到し、ガツガツっとサイトを作って競合より先に収益化する。
ペナルティを受けるというリスクもあるが、そのリスクとスピードの損得勘定を秤にかけたらスピードが優先されることが多い。
最悪サイトを放棄してもいいからだ。

これとは逆に企業のSEOは戦う場所が決まっている。
自社の商品なりサービスなりを売らなければならない。
スピードは大切ではあるが、リスクは最大限に考慮されなければならない。
ペナルティを受けることは場合によっては死を意味する。
.co.jpドメインをペナルティにしてしまうといった事態は絶対に避けねばならない。

スーパーアフィリエイターという人に企業のSEOを依頼すること自体は悪い選択肢ではない。

しかし、注意せねばならないのが発想方法である。

アフィリエイトの発想で企業のSEOをやることは避けねばならない。
安全第一に発想を切り替えてくれるのであればとても心強い味方になってくれるだろう。

しかし、被リンクでまずガツガツ上げていこうって発想でやられてしまうと、とても困ったことになってしまうかもしれない。

リスクをとるSEOがあってもいいと私は思っているのだが、リスクの回避策、軽減策として何を考えているかを納得いくまで質問したほうがいいだろう。
それが充分であり、信頼に足ると思えばやってもらえばいい。
でも、不安であれば依頼しない方がいいし、不信感がある中で業務を行っていくことはお互い(アフィリエイターにとっても)を不幸にすることであるので、やめておくのが賢明だとアドバイスするのである。

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