当レポートは前後編の予定だったのだが、思ったより長くなったので前中後編の3部になってしまった。
後半で完結すると思った皆さまにはお詫び申し上げます。
さて、2番目の登壇は
海外企業インハウスの
構造と対策にみるIn-House SEOのあり方
この方である。
久しぶりに日本語で話されるとのことで、すごく緊張していらっしゃるとのことであった。
感想としては欧米は進んでいるなあと感心した次第。
日本ではこのような理由でインハウスに取り組んでいる企業は少ないと感じる。
惜しむらくは、日本の中で外来語として定着していない語彙をそのまま使っていたので、わかりにくい点はあった(私が英語が苦手だからかも知れないが)。
特にそう思ったのが、欧米ではインハウスが主流になってきていて、コンサルタントからノウハウを吸収して自社でSEOを行うように移行してきているというのは進んでいるなあと思った。
1.SEOの取り組み方のトレンド
SEOの取り組み方には4タイプがある。
1)100%代理店
2)代理店+インハウス
3)コンサルタント+インハウス
4)100%インハウス
欧米ではこの中の3)と4)が増えている。
最初はコンサルタントを使って3)だったが、ノウハウを吸収してコンサルタントが不要になって4)へと移行するというケースが多い。
2.なぜインハウスなのか
社内の専任担当者がSEOを行うことは以下のようなメリットを得たいからである。
・サイトのイメージを統一したい
・コストやリソースの無駄をなくしたい
・目標や取り組み方、レポートなどを統一したい
・カニバリを防ぐ
(作者注:カニバリとは共食いのこと。様々な業者が担当していると、施策が重複したりして無駄が発生する)
・社内のSEOへの理解度を高めたい
3.SEOの効率化
1)SEO作業の限局化
SEO担当者は各サイトごとに、
デザイン・コンテンツ・多言語対応
のそれぞれについて精査をする必要があった。
しかしながら、この方法だとサイトが10個あったら、精査すべきポイントが30個になってしまう。
(作者注:私なりの言い換えです。システム開発におけるオブジェクト指向っぽい考え方かなあって思いました)
サイトを全て一つにまとめて管理するようにすれば、サイト数がいくつになっても3つのポイントだけを精査すればよい。
2)一元管理
・検索キーワード別にどのページを最適化したか
・競合調査対策
・ページ単位のランキング、パフォーマンス
・データのまとめ方
・目標
・業務分担
を、インターネットだけではなく、オフラインの業務や媒体も含めて一覧表にまとめて社内で共有。
4.社内教育
1)インハウスの評価
・担当するプロジェクトの成績を定量的に示して評価すべき
例)コンバージョン数・売上等
・予算削減、工数削減といった観点でも評価されるべき
・会社全体でのSEO知識の向上も評価されるべき
4.Scrumのすすめ
(作者注:Scrumとは多分、スピーディーにシステム開発するための手法の一つ。
小規模のチームに分け、短期間で完了する業務をチームに割り振って行くといった感じの手法のことかと理解しました)
SEOもスクラムでやっていくとよい。
3番目の登壇は
Googleの最新動向から見るSEO会社の使い方
~ペナルティ・アラートへの対応とインハウスSEOにおけるSEO会社を使うポイント~
である。
ペナルティ警告の話題が実に生々しく、かつ実際に即した事例で大変素晴らしかった。
SEO業者でもなければなかなか見ることはできないし、ましてやペナルティから回復するためのノウハウとして固められるほど多く遭遇することは普通ない。
(とは言え、微妙な内容なのであまりここでは書けません・・・。残念)
1.インハウスとSEO会社の得意不得意
・インハウス
サービス内容やウェブサイトそのもの、コンテンツについてよく知っている
・SEO会社
情報収集力や、分析力、ツールなどを持っている。
インハウスが不得手で、悩みがちな状況においてSEO会社を使ったらよいのではないか?
2.悩みその1 リンクペナルティ&警告への対応
これはSEO業界も一番困っているところである。
(作者注:ペナルティリカバリの事例については断腸の想いであるが大部分割愛する)
1)事前に解除されるとか、再審査リクエストをすると、よけいにペナルティを受けるというのは嘘である。
2)リンクの購入について
・リンク購入は自己責任
・リンクが説明できるベンダーを選ぶ
・外せるリンクにする
・リンク解除が無料か確認する
3.悩みその2 リソース(人手)不足
・SEO会社の人的リソースの活用したらいいと思う。
柔軟に様々なニーズに対応してくれるSEO会社が多い。
・SEO会社が持っているツールも活用できる
→現在、SEO会社に対して付加価値が求められる時代になっていると感じている。
4.悩みその3 ノウハウがない
・SEO会社は結構仲がいい
SEO会社は他のSEO会社のノウハウを聞いたりできることが多い。
・SEO会社は情報を大量に入手していて、その中の厳選した重要な情報だけを提供してくれる。
・情報提供そのものは無料なので活用しよう。
5.悩みその3 リンク構築の知識がない
・リンク購入(自己責任で)
・オーガニックからのトラフィック最大化のためにSEO会社を活用しよう
6.悩みその4 社内調整
社内調整のための資料の作成は、外部の会社のデータを元にしたほうが説得材料としていい場合がある。
そのためにSEO会社に手伝ってもらうという方法もある。
7.質疑応答
1)有料リンクはどう扱うべきか?
やらざるを得ないというケースもあるだろうし、ニーズがあれば売買は続くだろう
SEO会社はナチュラルリンクに近いものを作るように進化するしかない
2)どんなSEO会社と付き合うべきか
・検索エンジンの基本的な動作に通じているいる会社とつきあうべき
・リスクが100%ないSEOはないことを念頭におくべき
・担当者との相性は重要
4番目の登壇は
/田中 樹里氏/三澤 直哉氏
Ask the SEOs
である。
SEOsというのはSEOのプロって意味らしく、つまりSEOのプロに質問するというう内容。
あらかじめセミナー前に質問を集めておき、中から良い質問を厳選して当日回答するという企画だ。
時間が短かかったのが残念な企画である。
この企画だけで1日やってもいいかなって思ったぐらい。
Bill Hunt氏(後ろに座っていらっしゃるのは通訳を担当したハント肇子氏)
ハント肇子氏の通訳はすごかった。
長文を一気にまとめて訳して話すのは、語学力だけではなく並大抵の記憶力では無理である。私にゃあ無理ですって感じ(これは訓練かな?)。
とまあ、関係のないところに感心する事しきり・・・。
1.自然検索流入からの直帰率が高いと、ランキングに影響するか?
●鈴木氏
関係ない。でもなぜ直帰率が高いのか?というところは見ているはずだ。
直帰率という指標は簡単に操作できてしまうため、検索順位として指標にはできない。
直帰率はSEO観点ではないところで重要なのだ。
2.SEOの投資対効果はどう説明するのか?
SEOの投資対効果はどう説明するのか?
●山田氏
必ずしも収益につながるとは限らないが、必要である。
SEOは直接的な収益だけではない。
●田中氏
リンクベイトを集めたい場合は、リンク1本当たりの単価で換算する。
●三澤氏
下記を想定して説明する。
・コンバージョン数
・CTR
まあ、想定と実際はあまり合わないのだが・・・。
●Bill氏
このキーワードではどれだけトラフィックがあり、自社サイトにどれだけ誘引できるかで説明する
3.マットカッツ発言の信憑度は?
●Bill氏
一般的には信憑度は高い。
コメントをした数日後に訂正することもあるが、それは発言によってパニックを起こしてしまった場合にフォローをする場合に限る。
後日内容が逆になる発言をすることはない。
その発言の内容が意味するところが自社のビジネスにどう影響するか?と考えればどう対応すればいいかわかるだろう。
●鈴木氏
マットカッツ氏はナイスガイだ。
片言の英語でも親切に対応してくれるし。
Google社の社員の中でも何人かがコメントを行なっているが、氏の発言が最も信ぴょう性がある。
以前に氏の発言が過剰に世の中に反響を引き起こしたこともあって、最近はあえてはっきり言わず言葉を濁しているのではないかと思う。
4.グループ内リンクと自作自演リンクの差は?
●鈴木氏
ぐるなびのフッターリンクはよくできている。
こういうのがいい。
安全なリンクかどうかは
「nofollowつけてでもリンクしたいと思うかどうか?」
と考えれば確実だ。
(作者注:「なるほど!」って思った)
5.どんなKPIを設定しているか?
●三澤氏
SEOの目的による。
インデックス数、CTR、ブランド名での流入、ファインダビリティなどいろいろだ。
順位、流入数、コンバージョン数を一覧できるツールがあるので重宝している。
報告資料は色を使ってグラフィカルに作成している。
●田中氏
注文数しか社内は気にしていない。経営陣はそれだけしか興味なし。
担当者はサイトカタリストを使って見ている。
●Bill氏
目的に応じたKPIを設定する必要がある。
●安田氏
そもそもそのサイトがなんのためにあるのか?
目的に応じたKPIを設定する必要ある。
6.これから日本でも流行りそうなSEOソリューションは何か?
(作者注:カタカナですいません・・・)
●Bill氏
・Kloutはよい。
社内のソーシャルチームで使っているツールが重要。
・コンダクター
・銀座メトリックス
・ブライドエッジ
●山田氏
・HubSpot
・ラジアンシックス
・Bloomreach
・スクリーミングフロッグ
・Bingのウェブマスターツールは競合のバックリンクも見られる
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