Webマスターは自衛を考えるべき

superficial

昨今、Googleが変調をきたしているように思う。

変調のきっかけは不正リンクに対して積極的にペナルティを課すようになったことだ。
不正リンクに対して、ペナルティを課すことは間違いではないしやるべきことである。

しかし、残念なことにGoogleは不正リンクと、自然リンクを正しく見分けることができていない。

ではいつになったら、見分けられるようになるのだろう?

私は永遠にならないと思っている

コンピューターの処理能力やアルゴリズムが進歩するとスパムの検出精度は向上するが、あくまで検出精度が上がるだけである。
スパムをゼロにすることは不可能だ。

私が子供の頃、天気予報は当たらないものの代名詞だった。

しかし、現代では天気予報はかなり信頼されており、確かに当日、翌日の天気予報はかなり当てになると思っている人が多いだろう。
これも気象予測のアルゴリズムの進歩、コンピューターの処理能力の向上によるものだ。

これを突き詰めていけば、天気予報は100%的中するようになるのだろうか?

答えはNOである。

この問題にスパムの検出は似ている。

結局は確率や可能性でしか判断できないからだ。

これは不正リンクのチェックをしたことがあればよくわかるだろう。
ウェブマスターツールから被リンクをダウンロードして、一本一本全てのリンクを目視で精査する。

明らかにSEO業者による不正リンクであると判別できるケースは多い。
しかし、判別が難しいものがあまりに多いことに気がつくだろう。
このようにグレーな被リンクは、人間が見ても不正リンクかどうかわからない。

全く同じようなリンクであっても、あるものは不正リンク、あるものは自然リンクだったりする。
そもそもリンクを貼った動機が、

リンクポピュラリティの上昇を狙ったものなのか?
純粋にリンク先のページを紹介したいと思っているのか?

なんてことは神でもなければわかるわけはないのである。
ましてやアルゴリズムで正しく判断するということは不可能だ。

しかし、私は今まではリンクを貼った動機を問う必要はないと思っていた。
何故ならば、そのリンクに価値があるならば、そのリンクは正しいリンクであるからだ。

言い換えてみよう。

  • リンクが存在するサイト自体に何らかの価値がある
  • リンクが存在するページにも何らかの価値がある
  • リンク自体をクリックする意味がある

この3つをクリアするリンクには正しいリンクであり、正しいのであればそれがリンクポピュラリティの上昇を狙ったものであろうがあるまいが関係ない。
という考え方でよいはずだ。

また、私は原則的にSEOをWebマスターは意識する必要はないと思っている。
一般のWebマスターは取り立ててSEOを考えなくても、サイトの運営を続けていれば検索エンジンからそれなりに評価を得られるはずである。

しかし、誰もがSEOにおける危険性を考慮しなければならなくなってきたのだ。

それはなぜか?

いくつかのGoogleの公式発表から危険性を列挙してみる。

  1. ブログパーツからのリンクに危険性
    WEB戦略ラウンドナップの中山氏のこの記事を紹介したい。

    ブログパーツ(ウィジェット)内のリンクはnofollowをつけるべきとGoogleが回答

    当ブログでも現時点においてZenbackというブログパーツを導入してる。



    私はこのZenbackというブログパーツを導入するにあたって、危険性はほとんどないと判断した。
    Zenbackからリンクされる記事と、当ブログの記事には高い関連性があり、ユーザーにとっての利便性がある。
    私の記事を読んで物足りない場合、Zenbackのリンクをクリックしてより深い情報を得ることもできる。
    実際に私もZenbackから広い知見を得ることができているのだ。

    このようなリンクは正しいリンクだ。

    それにもかかわらず、nofollowであるべきというGoogleの発表には納得がいかない。

  2. プレスリリースの危険性
    海外SEO情報ブログの鈴木氏の記事を紹介する。
    「プレスリリースは広告と同じ、リンクにはnofollowを付けるべき」とGoogleのジョン・ミューラー氏

    プレスリリースももしそれが有名なWebの媒体でなされたものであれば、そのページを見て来訪する人もたくさんいるかもしれない。
    それであれば、そのリンクには評価すべき価値があるといってよかろう。
    そうでなければ、そのリンクは価値がないとGoogleが評価すべきである。

    アンカーテキストにSEO対象のキーワードが含まれなければ問題ないということではあるのだが、それでも危険は回避できるとは言えない。
    プレスリリースを配信する際にサイト名や企業名やURLを情報として提供するが、サイト名や企業名にSEO対象の文字列が入っていることも往々にある。

    例えば、私が「新鮮カニ通販サッポロ屋」という屋号で通販をやっているのであれば、アンカーテキストに「カニ通販」なんて文字列が入ってくる危険性がある。

    そんなわけで、プレスリリースにもnofollowをつけるべきだというのだが、実際には無理だ。
    プレスリリースは様々なインターネット媒体が勝手に配信するものなのだから、自分のコントロール下に置くことは不可能である。

    唯一の安全策はプレスリリースを発信しないこととなってくるかもしれない。これってどうなんでしょう・・・。

  3. リンクの否認について
    リンクの否認ツール:Q&A のご紹介
    ここから引用しよう。

    Google では、各サイトの掲載順位が他のウェブマスターによって操作されることのないよう対策に努めています。しかしながら、そのような第三者からの悪意のあるリンクがサイトの評価に悪影響を及ぼしていると思う場合は、リンクの否認ツールを使用して、それらのリンクを無視するよう Google に指定することができます。繰り返しになりますが、Google では独自のアルゴリズムを開発してネガティブ SEO へ対策を実施していますので、ほとんどのウェブマスターの皆さまはネガティブ SEO について心配する必要はありません。

    なんだか今ひとつ歯切れが悪い。

    「そのような第三者からの悪意のあるリンクがサイトの評価に悪影響を及ぼしていると思う場合は、リンクの否認ツールを使用して、それらのリンクを無視するよう Google に指定することができます」
    ではなく、
    「そのような第三者からの悪意のあるリンクがサイトの評価に悪影響を及ぼしていると思う場合では、リンクの否認ツールを使用する必要はありません」
    と言い切って欲しいものだ。

    それもそのはずで、誰の意思で不自然リンクを付けたかなんてことはリンクをつけた人以外わからないからだ。

不自然リンクをペナルティの大きなファクターとして計算するペンギンアップデート以降、私はリンクについてWebマスター側に責任を負わせすぎていると感じている。

  1. 不自然リンクによってペナルティを課すようになった
  2. 無実のサイトにもペナルティが発動する
  3. アルゴリズムで精度を上げようとするも限界に
  4. Webマスター側に対応を依頼するしかない状況に・・・

こんな感じである。
そもそもリンクが人工か天然か?誰が貼ったのか?なんてことはわかりっこないので、それをペナルティの大きな判断基準にしようという考え方にそもそも無理がある。その無理を承知でそのまま何とか運用しようとすることが現在の状況を招いていると思う次第だ。

そもそもスパマーが存在しなければ、こんなことをしなくてもいいのだろうが、スパマーのために善良なWebマスターまでまきぞいになるのは正直勘弁して欲しい。
そうはいっても、まきぞいになるわけにはいかないので自衛するしかないと思う。

ブログパーツの導入は慎重に
プレスリリースの導入も慎重に
リンクは定期的にできればチェックする

といった自衛策は考えなければならない。

最後に、「バカに毛が生えたブログ」さんの記事を紹介して終わりたい。

リンクにnofollowが付与されていない。「風立ちぬ」の公式サイトにGoogle苦言

最近のGoogleの何でもかんでもnofollow入れろという雑な対応をなんか表現できないかなと思って

と書かれていたが、本当にその通りだとしみじみ思う。


※追伸

当ブログを始めてから早いものでもう2年になりました。
どこまでやれるかわかりませんが、とりあえず3年を目指して頑張ります。
応援いただけると幸いでございます。

コメント

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  2. […] Mark Kens 「Webマスターは自衛を考えるべき」に共感して大量Tweetと1記事を書いたら、著者の田村義隆 (@tamuuuuuu) […]

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