CSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」についてレポートしてみる(Part.1)

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昨年のCSS Nite LP, Disk 24に引き続き今年も2013年9月21日(土)に開催されたCSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」に参加してきたので、そのレポートをしてみる。

ちなみに昨年のレポートはこちら
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」についてレポートしてみる(前編)
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」についてレポートしてみる(中編)
CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」についてレポートしてみる(後編)

昨年のイベントは日本のSEOにおけるエポック・メイキングな出来事であった。

正しいSEOのあり方とはいかなるものであるのか?

多くの人々対して正しい路を指し示したイベントとなったと言えよう。
よろしければ昨年のレポートもご覧頂きたい。

そして、今年もその方向性は変わることはなく、より深く深化している印象を受けた次第である。

さて、前置きはそれくらいにしてレポートである。

1.住太陽氏
理由と経路のマーケティング

トップバッターは住太陽氏だ。

住太陽氏

住太陽(すみ もとはる)氏には大阪の飲み会でじっくりお話をさせていただいた事がある。
最初はペンネームかとずっと思っていたのだが、本名って知ったときはちょっと驚いた。

そのことを本人にお話した時に、

「そうなんや、みんなリングネームだと勘違いすんねん。いちいち本名だって説明せなあかんから面倒なんや。」

ってなことをおっしゃっていた。こんな感じで千葉での暮らしが長かったのにもかかわらずコテコテの関西弁。
リングネームっていうのがまたシビれるよなぁ・・・。
日本におけるSEOEの草分けであるにもかかわらず、気さくで、ざっくばらんな人柄が素敵な人物である。

運営されているWebサイトも情報の量、質ともに凡百のSEOの書籍をはるかに圧倒しており、論理的構成も素晴らしい教科書のようなWebサイトである。
ご存じない方は是非ご覧いただきたい。

とこれまた前置きが長い。

今回荷物を軽くするために、ノートPCを持たずタブレットとBluetoothキーボードを持って行った。
しかし何度やってもペアリングに失敗し、キーボード入力ができないという事態に遭遇。

住氏のセミナーが始まってしばらくたってもペアリングしようとそればっかりで最悪だった。
なので、分かる範囲で書くのだ。

SEOは簡単になった

以前はコンテンツを作っても、SEOを考慮しないとクローリングしてもらえないといったこともあったのだが、今はこのようなことをほとんど考えなくても良くなった。
私は大阪で住氏と話をした時に、

「最近SEOは技術要素が多くなって難しくなった気がするんですが・・・」

って話をしたことがある。

「そんなことない。SEOは最近めっちゃ簡単や。canonicalとかわかんなければ使わなければいいだけや」

とおっしゃっていた。
そうだよなぁ。確かに・・・。と深く頷いた次第である。

さて、話を戻そう。

ユーザの段階によって必要な情報は異なる

  1. 潜在客
  2. 見込客
  3. 利用客
  4. 顧客
  5. 得意客

ユーザーの段階は上記の1~5があり、それぞれ提供すべき情報も異なり、適した集客手法も異なる。
潜在客にはSEOがよく、見込客にはリスティング、利用客にはFacebookやメルマガといった手法がよい。

この中では見込み客だけがサイトへの訪問の理由が異なり、広告と最適化されたランディングページが適切な集客手法となる。

セリングとコンテンツは異なる

コンテンツをちゃんと作れば上位表示は簡単になった。
しかし、誤解されがちなことだがセリング(宣伝)はコンテンツではない。

一部にSEOは難しくなったという意見もあるが、セリングとコンテンツを混同しているからである。

コンテンツを作れと言われると、宣伝ばかり熱心に書く人が多いのだがこれが間違いなのだ。

誰も商品やサービスの自慢は聞きたくない。
オーガニック検索結果は、調べ物をしている人が知識を得るために見る場所であって、売り込みを表示させる場所ではない。だから、セリングでの上位表示は難しいと言える。
売り込みを表示させるのはリスティングの欄がある。
そう考えれば、検索結果に露出させるのは難しくない。

広告を見る理由

CMを見るためにテレビを見る人はいない。
広告を見るために雑誌や新聞を読む人はいない。

面白いコンテンツ、つまりテレビで言えば番組、雑誌や新聞であれば記事があるから、それを見るためにチャンネルを合わせたり、購読という行動をとる。
その合間に広告は見られるのである。

SEOとは何か

検索している人に、答えを提供することだと考えておくとよい。

ニーズが顕在化していない人に対して売り込みをしてもうまくいくわけがない。
それよりも、課題や問題に対してプロとして答えるコンテンツを作ることが基本である。

自社が検索ユーザーにとって役立つ会社であることを示し、このようなコンテンツを通じてユーザーとの関係を構築するのがSEOである。

こう考えればSEOは非常に簡単。
検索順位が何位であろうがあまり関係ない。
本当にユーザーが悩んでいることであれば、検索順位が低くても探してもらえる。

商品の宣伝を一生懸命探す人がいないのと対照的だ。

告知経路を作る

どんなに素晴らしいコンテンツだっても、ネットの片隅にひっそり公開しただけでは見てもらえない。
告知経路を整備して、コンテンツ作成と同時進行で行う必要がある。

せっかくコンテンツを作っても誰も見てくれないと心も折れますしね。

今まではニュースレターやRSSを購読してもらうといった消極的な手法しかなかった。
しかし、現在はFacebookによって積極的に広告ができるようになった。

  1. 「いいね」の増加
    これは使える
  2. ブログへの投稿の宣伝
    これは使える
  3. URLの宣伝
    これは使えない
  4. ドメインに言及する投稿の宣伝
    amazonが行っている手法
    (すいません。筆記が間に合いませんでした・・・)

SEO/SMOの完成

  1. コンテンツの作成
  2. コンテンツの告知
  3. 拡散
  4. 反応 フィードバック、リンクが集まる

この流れを作ることが用意になったのが現在の状況だ。
今まではコンテンツの告知が難しかったので、フェースブック広告ができたおかげで積極的な告知策が簡単になった。

※ちなみに住氏の記事の末尾にはいつもこのようなお願いの文章が入っている。
共有のお願い
住氏ほどの人でもやっぱり、モチベーションが重要なんだなぁっと思うと感慨深い。


2.鈴木謙一氏
SEOの最新トレンドに乗り損ねるな
〜 海外SEOカンファレンスに見る2013年、
そしてこれからのSEOの潮流 〜

次は鈴木謙一氏だ。

写真はちなみに昨年のCSS Nite LP, Disk 24の時の写真である。
SEOをやっている人間であれば、知らない人はいないと思うので解説はいらないと思うが、ちょっとだけ書いてみたい。

海外SEO情報ブログを購読していらっしゃる方は多いと思う。
私はSEOブログって基本的にそれほど役に立たないものだと考えているのだが(このブログは何なんだよって話ですね。すいません)、この「海外SEO情報ブログ」は間違いなく役に立つ。
このブログだけ購読すればいいのではないか?とすら思う。

また、Web担当者Forumの「海外&国内SEO情報ウォッチ」というコーナーを連載しており、良質なSEO記事をまとめて紹介してくれている。
「海外SEO情報ブログ」と「海外&国内SEO情報ウォッチ」に紹介されている記事だけ読めば、SEOが専門でない人にとっては、SEOの情報は充分すぎるほど充分だと思う。

SEOをよくわかっていない人が情報を仕入れすぎるのは、逆に有害であると私は考えている。
自分の中に正誤の基準がないうちに、様々な情報を取り入れると混乱してわからなくなるからだ。

その意味では、有意義かつ正しくかつ最新の情報源であるため、SEOに詳しくない人はこのブログだけ読むことをお勧めしたい。
(私のブログは別に読まなくてもいいです。本当は読んで欲しいですけど・・・)

鈴木氏はコンサルタントとして著名であるが、良き父であることもいろいろな記述から伺える。
この日は息子さんがいらっしゃっていて、このセミナーをご覧になっていたとのこと。
ワークライフバランスをこれほど高いレベルで実現している人も少ないと思う。

本来、ワークライフバランスとは誰にもあってしかるべきものなんだろうけど、誰もを納得させられるほど仕事ができるのが前提なのかもと思う時がある。
そんな働き方を実現している鈴木氏は私のロールモデルの一つだ。

またまた、前置きが長くなったが本題である。

前提となるSEOの定義

  1. ユーザの役に立つコンテンツを作成し、
    惹きつけるコンテンツ
  2. それを検索エンジンにて企画に理解してもらい
    クロール/インデックス
  3. 検索結果で魅力的に表示して、検索ユーザーにクリックしてもらい
    ランキング/卓越性
  4. 訪問したユーザーを満足させること
    ユーザーエクスペリエンス/コンバージョン

それを踏まえた上で、下記の3つの最新トレンドについて解説する。

1.セマンティックウェブ・セマンティック検索
2.モバイル対応
3.著者情報

1.セマンティックウェブ

  • ナレッジグラフ

    文字列を単なる文字の並びではなく、人間が理解するように意味のあるもの(エンティティ)として理解する技術。

    Google検索の富士山の表示例

    富士山のナレッジグラフ

    これを見ると「富士山」という言葉を、Googleは山だと理解しており、山として重要な属性を収集して表示しているのがわかるだろう。

    「タイガース」 日本の球団だけでなく、バンド名、アメリカの球団でも「タイガース」が存在しており、別のエンティティとして認識している。

    「中央区」 東京、大阪、札幌、神戸市に存在するが、別のエンティティとして認識している。

    「トムクルーズ」映画俳優であることを認識しており、カルーセルに出演した映画が表示されている。

    「AKB48」は所属しているメンバーまで認識している。

    「スリランカの首都」質問の意図を理解し「スリジャヤワルダナプラコッテ」という答えを返す。

    「ミッキーマウスの産みの親」質問の意図を理解し作者名と写真を返す。

    「石田純一の奥さん」質問の意図を理解し石田純一の現在の配偶者と過去の配偶者、及び婚姻を継続していた期間を返す。
    (びっくりしました:作者注)

    ナレッジグラフは検索の仕組みを根本から覆すパワーを秘めている。
    検索エンジンは人間の認識に大きく近づいてきており、これは人間にとって有用なコンテンツを作れということを示唆している。

    今はまだ、ナレッジグラフは完全なものとは言い難いが、今から準備しておけば、ナレッジグラフの進展によって、将来有利なポジションを得られるようになるだろう。

  • 構造化データでマークアップ

    検索エンジンは原則的には文字列を認識するだけ。
    「5」という文字があったとして、それが「長さ」「重さ」「金額」といったどのような意味を指し示しているのが検索エンジンには理解できない。

    そこで構造化データでマークアップすることで、文字列がどのような意味を持っているのかを検索エンジンに指し示すことができるようになる。

    Googleは「レビュー」「商品」「パンくずリスト」「音楽」「レシピ」などをサポートしている。
    構造化データを用いることで、検索結果にリッチスニペットが表示されるようになりクリック率も上がるため、是非構造化データを使ってほしい。
    その際これから新たに構造化データを導入するなら、schema.orgを使うことを推奨する。

  • リッチスニペット以外の構造化データの利用

    本来は検索エンジンのためだけに存在するわけではない。

    ナレッジグラフ、組織のロゴ、In-depth articlesといった表示をさせるためにも重要だ。特にローカルビジネスでは構造化データを設定しておくことを勧める(って意味だと思うのですが、間違っていたらご指摘下さい)。

    Googleは構造化データを使って欲しいと考えており、様々なツールを提供しサポートしている。
    構造化データの利用シーンは見えるところ、見えないところの両方で今後も増えると予想しており、今から種まきをしておくべきだと思う。

2.モバイル対応

  • 日本におけるスマートフォン普及率

    4人に1人、2年前の4倍以上の25%に達している。
    モバイルは非常に重要で無視できない。2、3年後にはデスクトップのトラフィックを上回るようになるだろう。

  • Googleのサポートする3つのモバイルサイトの構成について
    メモが追いつきませんでした。多分レスポンシブルWebデザインと、ダイナミックサービングと、モバイル用URLのことだと思うのですが・・・。

    とは言え、スマホでアクセスするための専用サイトを作ることがモバイル対応ではない。アップルはモバイル専用サイトを持たないが、これもれっきとしたモバイル対応だと思う。
    iPhoneブラウザはPCのサイトをきちんと見ることができることを売りにしており、それゆえにあえてスマホ用のサイトを作っていないと考えているが、その考え方も正解だろう。
    結論としては、モバイルユーザーが使いやすい、不自由しないサイトを提供することが本当のモバイル対応ということだ。

  • ユーザーエクスペリエンス!が重要

    Googleはユーザーエクスペリエンスを阻害するサイトの評価を下げることを明言している。
    遅さはユーザーエクスペリエンスを低下させる。

    Above the Fold、つまりファーストビューのコンテンツを1秒以内に表示させることを目標とすべし。実際は7秒程度かかっているサイトが多い。

  • 3.著者情報

    コンテンツの著者情報を検索結果に表示する機能。導入により以下のようなメリットがある。

    • 検索結果からのCTRがアップ
    • 認知度、信頼度アップ
    • スクレイピング対策

    検索結果のアイトラッキングの調査では、顔写真に視線が集まることが確認できている。

    また、著者情報は現在は順位には反映していないが将来的には反映させるだろう。
    スパマーは匿名で活動するため、著者情報と紐付けられたコンテンツにスパマーはあまりいないと考えられる。
    また、信頼の置ける著者であれば、その人が書いているということにより、何でもない掲示板の情報であっても上位表示させることもありうる。

    ブランド構築にも寄与する。
    自分のサイトがFacebookといった誰もが知っているビッグブランドになれなくても、ニッチでブランドとして認知されるのでもよい。
    巣鴨の地元で知られているコロッケ屋でもいいではないか。


    こちらも御覧ください。
    CSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」についてレポートしてみる(Part.2)
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