一般サイトに比較して企業ホームページのSEOは難しい。
有用なコンテンツを作って、被リンクを集めるという戦略を取るのがSEOにおいて理想だ。
しかし、そもそもそれ自体非常に難しい上に、自社の製品を売るというコンテンツの延長上で発想しなくてはならないので更に難しい。
さらに中小企業となると他業務と兼任であり、ホームページの運営は片手間であるということの方が多い。
このような状況でSEOに取り組むのはさらに困難だ。
1.予算
2.時間
3.スキル
上記のいずれかがあれば、他の不足をある程度カバーすることができる。
例えば、
「予算が潤沢にあればアウトソーシングすることができる」
「スキルがあれば社内で制作したり、安価な業者を選定できる」
といった具合である。
ところが、このいずれも足りないというのが現実だろう。
このような制約下において、SEOを行なう必要があるならばどうすればいいか?
最も大切な事それは感覚・知識を身につけることだと、私は考えている。
スキルだけは唯一自分で準備できるからだ。
そうして、スキルは他の不足を埋め合わせることができる。
それでは必要なスキルを順番に書いてみよう。
まるっきりホームページの知識がないのであれば、下記の順番で勉強していくことをお勧めする。
そのホームページを見て、買いたいと思うかどうか?
という観点で評価できるようになることだ。
実は私はこのスキルが一番重要なのではないか?と思っているのだ。
いくら集客したとしても、ホームページの出来がダメだったらまったく意味がないからである。
ある程度以上の品質のホームページを作ることが、全ての前提だからだ。
まずは同業他社だけではなく、様々な業種、トップアフィリエイターと言われる人たちが作っているホームページをたくさん見てみる。
漠然と見ていても徐々に見る目は養われていくが、下記のような観点を常に意識しながら見ることをお勧めしたい。
・誰に見てもらいたいかが明確になっているか
・ベースとなるデザインは見てもらいたい人の属性と一致しているか
・色の統一感があってかつメリハリがあるか
・最も誘導したいページへのリンクは目立つようになっているか
・製品やサービスの特徴を端的に表現しているか
・信頼感を感じられるか
このようなことを考えながら、100サイトぐらいを見てみると明らかに評価するスキルがアップするはずである。
100というと非常に多いように思われるかもしれないが、私などは1日か2日でこの程度は見ている。
また少しずつこなして毎日10サイトずつみていけばたった10日だ。
覚えなくてはならないのは、HTMLの基礎・CSSの基礎・FTPの使い方だ。
HTMLやCSSがまったく理解出来ないとなると、最低限必要なSEO対策ができないばかりでなく、SEOを外注する場合に業者の信頼性の判定もできない。
ごく簡単なホームページぐらいは作れる知識は必須である。
簡単なホームページを作れるぐらいになるのはこれも数日で可能だと思う。
あんがい自社の商品がどのような有用性があるかわかっていないというケースが多い。
特にホームページの担当者は、システムの運用者や総務担当者などが兼務しているケースではこの傾向が顕著である。
営業担当者などにヒヤリングするなどして、どのようなユーザーが自社の商品を求めているのかを把握しておく。
またカタログ上の有用性ではなく、誰がどのようなときに自社商品を買うといいのか?を具体的に想定できるようにしておく。
※関連記事ロングテールSEOの基本No.2では、自社の商品の強みを知ることがいかに重要かを述べている。
SEOの関連書籍はたくさんある。
しかし、読むべき書籍はそれほど多くはない。
まずはGoogleというもの知ることが、SEOの一番の近道であると思う。
その意味でおすすめしたい本が1冊ある。
Google秘録というドキュメンタリーだ。
Googleとは一つの思想・あるいは擬似人格だと私は考えている。
例えばある人がいて、その人のことをよく知っていれば、
「こんな時、あの人はどうするかな?」
っていうことが想像がつく可能性が高い。
SEOもこれに近い。
「こういうことをしたらGoogleの基本的な考えからしたら、どう判断されるだろうか?」
ということが体得できる数少ない本である。
インタビューを元に構成された本であるが、これを読めばGoogleとは何かが分かるはずである。並のSEOの本よりはるかにためになること請け合いだ。
また、1冊だけはしっかりしたSEOの知識の本を通読して理解しておくことが重要。
たくさん読むより、1冊をきちんと理解したほうがいいと私は考えている。
その中で渡辺隆広氏の書籍は間違いがなく、かつ必要な知識を網羅しているのでお勧めだ。
(2011年10月時点では下記の本が最新)
近年、SEOの知識はWeb上に氾濫しまくっていて(まあ、このブログもその一つなのだが)、何もSEOのことがわからない人がそれらを読むと混乱する。まずは、SEOの基本を体得してからWebの知識は見たほうがよい。
私が紹介した2冊の本を消化すれば、Webに書いてあることを読んだ時に何が正しそうで、何が間違っていそうか判断できるようになると思う。
Google Analyticsの使い方を知ること。
敵を知り己を知れば百戦危うからずという言葉がある。
他のホームページは外面的につかめる情報だけはつかめるようになって、あとは自社のホームページである。
アクセス解析がわかるようになると、定量的に自社のページの状況がつかめるようになる。
その入門書として「できる100ワザGoogle Analytics」をお勧めする。
さて、上記ができたらSEOに必要なスキルは揃ったと思う。
実際にSEOにとりかかるのだが、このような順番がいいだろう。
・デザイン面
・使いやすさ、構造の明確さ
・登録のしやすさ
・Analyticsで見て自社のターゲットとなる顧客とずれていないか
など検討を加える。
また現状で簡単にコンテンツを追加できないようになっているのであれば、コンテンツを追加できる仕組みは最低限設けた方がよい。外部の無料ブログでコンテンツをいくら追加したとしても、SEO的な観点からは自社のサイトの強化は基本的にできないのでこの点は最低限予算化して実施する必要があるだろう。
コンテンツの発想方法は以下の記事をご覧頂きたい。
ロングテールSEOの基本 No.1
ロングテールSEOの基本 No.2
ロングテールSEOの基本 No.3
できれば自社の近隣のホームページ制作業者がよい。
候補となる制作業者のホームページを吟味し選定する。
また、SEOは実質ホームページ制作業者が担うことになる場合が多いので、デザイン面だけではなくSEOの知識について調査する。
下記の項目をクリアできれば最低限のSEO知識はある可能性が高い。
1)制作業者のページを調査する。
・wwwありなし/index.htmlありなしが正規化されているか
・Another HTML-lint gatewayで、-9となってしまう項目はないか。
2)ヒヤリングを実施
・301リダイレクト、canonicalの動作
・alt属性の正しい考え方
・nofollow、noindexの動作及び指定をする理由
論理的なマークアップになるように修正する。
これは実は一番難しい所で、時間を確保して行うようにしないと、他の業務に流されてまったくできなくなってしまったりする。
・ウェブマスターツールでどのようなキーワードがGoogleに対して認識されているか?ペナルティを受けていないか確認する。
・Google Analyticsを見て定期的に確認する。
このように運営していけばおそらく1年もやれば、かなりWebに詳しくなるはずである。
SEO業者に外注するのはその後でいいと思う。ここまでできるようになれば、SEO業者が必要になれば自分の力で選定ができるであろう。また自分自身で順位アップということもできるはずだ。
コメント
[…] た始末が悪い。 まずは正しい情報に触れて、自身の中にSEOの核となる知識の体系をキッチリ身につけるのが先決である。 正しいと考える情報については、こちらの記事を参照されたい。 […]