SEOはWebサイトの企画と切り離して考えることはできない

essence

SEOは一般的にはサイトが完成してから行われることが多い。
しかし、それではSEOを充分に行うことはできないのだ。

SEOはただ単に上位表示の技術ではない。
SEOはマーケティングである。

私は常々このブログでも書いているが、

情報を発信したいWebマスターとその情報を知りたいユーザーを
検索キーワードを通じて結びつけるマーケティング活動

これがSEOである(ちなみにリスティング広告も同じである)。

だから、SEOのためには、

1.ユーザーニーズを洞察する

これがまず必要であり、これが全ての基礎になる。

  • このサイトを見るべき人は誰か?
  • 何をアピールしたいのか?
  • いつ見てもらいたいのか?
  • どこで見てもらいたいのか?
  • なぜ見てもらいたいのか?
  • どのように見てもらいたいのか?

といった思考過程が必要である。

以前私は、「ロングテールSEOの基本 No.2」という記事の中で、キーワードは5W1Hで発想すべきということを書いた。

ユーザーはどのような顕在化した、あるいは潜在的ニーズを持っているか?
ニーズはどのようなキーワードとして投影されるか?

これを洞察するためには徹底したユーザー視点が必要であるのだ。
その過程はサイトの企画を考えることをほぼ等しい。

根源的な問いがSEOには必要であり、これなしにはSEOはありえないのだ。

その次のステップとしてユーザーのニーズを洞察した上で、

2.ユーザーの必要とする情報は何かを知る

ことが必要になる。
考えるべきことは、一つ一つの記事の内容ではない。
自サイトに来るべきユーザーの求めている情報の体系とは一体何であるか?
である。

このステップはSEOの技術的な意味においても非常に重要だ。

これまでの人為的外部施策を中心としたSEOであれば、外部のサイトからの被リンクによってビッグキーワードの順位をあげるのが主流だった。
しかし、この手法はリスクが高まったことにより時代遅れとなってきている。

どのような情報を集積して、如何に整理するかが最も重要になってきている。

現在は外部リンクなしでも充実したコンテンツがあれば、かなりのビッグキーワードであっても上位表示するようになってきた。
しかし、上位表示には一貫性のあるコンテンツの階層構造が必須である。

サイト構成が重要だ」の中で、内部施策によりビッグキーワードで上位表示させるための方法を書いた。
キーワードの抽象度が高まれば高まるほど、言い換えてみればビッグキーワードになるほど、様々な関連情報へアクセスできる、情報の起点のページが有利になりやすいことを書いた。別の表現で書くならば「目次ページ」が有利になりやすいということだ。

目次ページにどのようなコンテンツを並べるかは、サイトの企画に他ならないわけでどのようなサイトを作るべきか?
と不可分に結びついている。というか同義である。

3.ユーザーが求めているキーワードとその意味を知る

単にユーザーニーズからキーワードを導いても充分ではない。
キーワードには検索意図があり、その検索意図を満足させるコンテンツを作らなければならない。

検索キーワードに関するコンテンツであったとしても、検索意図に合致していなければ上位表示しにくい。

また、検索意図に合致していたとしても、検索意図を満たす内容でなければならない。
これには2つの意味がある。

1)検索意図を満足させないコンテンツは結局コンバージョンに結びつかない

いくらユーザーを誘引したとしても、検索意図を満足させることができなければ「戻るボタン」で検索結果に帰ってしまう。
検索ユーザーを騙す、あるいは不完全な知識しか提供しないコンテンツでの集客は、本来の目的を達成することができないということだ。

2)検索順位が上がらない

ユーザーを満足させることができないコンテンツでは検索順位が上がりにくい。
不思議なことなのだが、ロングテールSEOを実践していると気がつくことである。
Googleは共起語の出現頻度といったアルゴリズムを用いて、コンテンツの価値を測っている。
共起語チェッカーといったツールもあるが、Googleの検索APIなどをたたいて検索スニペットなどから、共起語っぽいものを拾っているだけである。

Googleが認識している真の共起語は我々には分かり得ない。
だから、共起語をコンテンツに盛りこもうなんて姑息な努力に意味はないと私は思っている。
あくまでユーザーのニーズに沿うための文章を作る過程において、共起語は自然に織り込まれるはずなのだ。それこそがGoogleの考える価値ある文章であろう。

順位をあげるために共起語を入れるのではなく、ユーザーのニーズが先にありその結果として共起語が文章内に存在するのが正しいのだ。

4.コンテンツを作るための戦略を立案する

全ての検索キーワードにおいて、完全にユーザーのニーズを満たすコンテンツを作ることが理想である。
しかし、現実問題としてそこから得られる利益との兼ね合いがある。
必然的にコンテンツの作成に投入できるコストには制限が生まれる。

ブランディングの兼ね合いでコストをかけてもよいコンテンツもあるし、SEO目的しかなければ得られるコンバージョン数や検索数に厳しく制約される場合もある。

そのコストの範囲でどのように最良のコンテンツを作るのか?
ここには戦略が必要だ。

社長が書く、その分野の専門の担当者が書く、その道の権威に依頼する、外注のライターに依頼する、CGMで集める・・・

様々な方法があるが、自サイトで取りうる運用体制を抜きに考えることはできない。
いくら理想を言っても絵に描いた餅では仕方がないのだ。

現実解と理想をいかに折り合いをつけ最適解を導くか?
ここまでサイトの企画段階において考えなければならない。


まとめてみよう。
SEOはサイトの企画・運営と不可分の関係にあり独立して存在するものではない。

被リンクではない現在のSEOでは、それだけ切り離して施策できるものではないということなのである。

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