当レポートは前後編の予定だったのだが、思ったより長くなったので前中後編の3部になってしまった。
やっと完結である。
5番目の登壇である。
「外部リンク獲得のためのコンテンツプランニング」
サブタイトル
「プランニングを成功させるために重要なたった一つのこと」
撮影はすべて飯田昌之氏
松尾茂起氏は独自の位置を占めているSEOのプロだ。
今年の1月に上梓された
WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル
当書がSEOの担当者の中で大きな反響を巻き起こしたことはまだ記憶に新しいところである。
また、当ブログでも使用している、SEO対応のテンプレート「賢威」の作者であることでも有名である。
「賢威」の購入者のみが利用できる、賢威フォーラムでの的確な回答も実に素晴しく、私が最も尊敬するSEO人の一人である。
そして、何と言っても傑出しているのは、ナチュラルなリンクを集めるための手法、企画に長けていることである。
リンクをGoogleが評価する理由は、それがコンテンツの人気を図る尺度だからだ。
サクラを動員することでGoogleをだましてたのが、これまでの人為的被リンクによるSEOである。
ところが、松尾氏は本当に人気のあるコンテンツを作ってしまうという点において、正真正銘本物のSEOなのだ。
熱く語りすぎて前置きが長くなった。
やっと本題である。
外部リンクはSEOにとって非常に重要である。
しかし、外部リンクリンクは本来自分からコントロールできない。
だから、自作自演のリンクや、リンクを購入を考えるウェブマスターが多いが、これにはリスクがある。
近年これらの人為的な施策を行ったことによる、順位の下落が多く見受けられる。
だから、リンクを集める方法を考えるべきだ。
Googleが重視するリンクには2種類がある
信頼出来るサイトからのリンクと同ジャンルのサイトからのリンクだ
1.実在している人からのリンクには価値がある
信頼出来るリンクとは実在している人からのリンクである。
ソーシャルメディアからのリンクがこれにあたる。
リンクを張れなかった人がソーシャルメディアを介してリンクを張れる時代になったので、これを活用する戦略を組み立てるべきだ。
2.リンクを張る人の心理を理解する
1)コンテンツを保存したい(ソーシャルブックマーク)
はてなブックマークはこれである。
2)他のひとに紹介したい
この欲求によるリンクの方がずっと多い。
3.nofollowリンクに価値があるか
Twitter、Facebookはnofollowである。
(Google+はfollow)
nofollowのリンクには直接的なSEO効果はない。
しかし、TwitterのAPIを使った外部サービスはnofollowではない場合がある。
このようなサービスから引用されたような場合は、SEO的に価値のあるリンクとなる。
従って、Twitterからのリンクには価値がある。
nofollowであるか確認できるプラグインがあるので、確かめてみることも必要だろう。
4.人はなぜコンテンツを紹介するのか?
- 共感願望
他人に共感してもらいたい願望のこと。
日本人のYahoo好きは突出しており、このような願望を持っている人が多いことがよくわかる。
(作者注:Yahoo!の知恵袋の回答などはこの傾向が顕著で、ベストアンサーがつくのは、質問者に同意する回答であることが多い) - 自己顕示欲
自分のことを見て欲しい
ほめて欲しい
→ 診断系コンテンツ大ヒット - 自己ブランド強化
・自分のブランドを育てたい
・自分のブランドが傷つくことはしたくない
この3つを理解すればリンクは集まる
紹介する人の気持ちを考えてコンテンツを設計する。
6.どんなコンテンツが人気なのか?
情報収集すればわかる。
・はてなブックマーク内でキーワード検索するとか、NAVERまとめなどを見ればわる。
・はてなブックマークに「まとめ」というタグが付いた記事を見るとわかる。
7.まとめ記事を作ればいいのか?
これは半分正解で半分間違い。
誰かがまとめたくなる分割された濃いコンテンツを作るのが理想
誰かにまとめてもらってリンクしてもらうことを狙う。
セグメント(分割)の時代である。
その傾向を表す例として、機能がたくさんあるアプリより、何かの機能を特化したアプリが受けている。
Bluetoothのオンオフを切り替えるだけのアプリが人気であるといったことからもこれは説明できる。
セグメントの具体例
「大阪梅田の飲食店」
よりも
「大阪梅田の激うま飲食店」
よりも
「大阪梅田の激うまラーメン」
このように細かくすればするほど、個性をより発揮できる。
自社コンテンツを分割すると、新しい魅力が見つかるかもしれない。
見なおしてみることをお薦めする。
8.同ジャンルからリンクをもらえるコンテンツとは
- プランニング1
業界の情報のハブとなるサイトを運営。Googleカスタム検索エンジンなどを使うとおもしろいものを作れる。
例)野菜レシピ検索エンジン「クックル」 - プランニング2
問題提起をするためのデータ提供する。
つっこみを受けるため。
例)都道府県みんなのバストサイズ - プランニング3
人格を増やす
ライバルサイトがリンクを張りやすくする。
=相手のブランドを傷つけない企業が同業のサイトに対してリンクを張ることはできないが、関連するブログなどにはリンクを張ることがある。
このように企業とは別人格の個人としてのサイトを運営するなど、リンクを貼りやすいサイトを作る。
1.各ソーシャルメディアの露出の流れ
どんなコンテンツも露出しなければ意味がない。
影響力のあるアカウントを持つと口コミを容易に集める事ができる。
Twitter:匿名ゆえの拡散力。
Facebook:実名ゆえの抑止力
Twitterが重要。Twitterでバズるとはてブでもバズることが多い。
Twitter → はてブ → ホッテントリ入り → リツイート
という循環で口コミは広がって行く。
2.NAVERまとめも重要
注目まとめはPVが集まる
NAVERまとめはアフィリエイト的なインセンティブがあるので、本気で作ってくれる人が多数存在する。。
分割されたコンテンツを作ったほうがよいというのは、NAVERまとめにまとめてもらいやすくなるという意味もある。
NAVERまとめで大量に被リンクを得ても、ドメインが同一なのであまりSEO効果はないかもしれないが、露出が増える効果は期待できる。
3.Google+について
Google+はウェブマスターツールにも統計データが表示されるくらいなので、これからは重要だろう。
人を動かすということ
リンクを張るのは人間である
コンテンツを作るのにはセンスはいらない。
何が流行しているかは調べればわかることだ。
最後の登壇は、
辻正浩氏
私は以前、辻氏からGoogle+を介してSEOについて色々ご教授頂いたことがある。
検索エンジンの動作に対する造詣と、経験の深さにただただ恐懼。
己自身の不勉強さ、極める道のりの遠さを改めて思い知った。
本当のその節はありがとうございました。
拙ブログの「SEO業は何処へ行けばいいのか」に対して、明確な回答を頂いたことは恐らく一生忘れることはないと思う。
検索エンジンの挙動に関する広く深い知識を持つこと。
一般的に出回っていないノウハウなども自分の中に蓄積して、様々な問題に対して的確な解を出せること。
そうならなければ専門のコンサルタントとして高い付加価値を得ることはできない。
とおっしゃっていた。
情報に接している量、経験の量において凡百のコンサルタントをはるかに凌駕している氏ならではの言葉に、深く感銘を受けた次第だ。
またしても熱く語りすぎて、前置きが長くなった。
nanapi
辻氏がSEOを担当し、対策の開始後1年弱で検索流入が4倍になったという実例。
1.nanapiとは
日本最大級のハウツー情報サイト
ある程度品質が担保された様々なジャンルのノウハウが大量に掲載されている。
ビジネスモデルは広告掲載、一部タイアップ記事によっている。
ユーザーに支持されることがすべてにおいて優先されている。
2.nanapiの目標
より多くのユーザー様にnanapiを知ってもらいたい
3.主として実施したSEO施策は2点
・検索されないページを検索エンジンから認識させない
・徹底的な構造化
結果としてビッグキーワードでも上位表示されるようになった。
検索されないページを検索エンジンから認識されないようした
これは非常に重要!
一覧ページのソート順の変更や、検索に結びつかない絞り込み結果ページは検索エンジンに全て認識させない。
但し、検索結果に表示させるニーズがあるページについては熟慮して認識させるページとして残す。
ベストプラクティスは、全てのサイトにおいて適用できるわけではない。
SEOは知識だけではできない
ある程度の知恵が必要
徹底的に構造化した
現在nanapiはFacebookで2位に表示されている。
この理由として、
- Facebookのノウハウが380ページぐらいある。
このようにしっかり記事を準備した。 - 構造化してトップページ(nanapiのFacebookノウハウのトップページのこと:Facebookの使い方徹底ガイド)にひもづけた。
- 継続的なコンテンツ増強実施。1年で3倍に
- 魅力的な見せ方の追求
検索結果でどう表示されるかをプレビューできる仕組みを導入
また、OGPもCMSに仕込んで管理 - サブドメインで分けていたコンテンツを一つのドメインに統合
- などなど・・・
- ユーザ満足のためサイト価値の向上
- SEOの価値を全社的に理解
サイト価値を検索エンジンに認識させる - 確実な状況把握で精度を高めながら継続
- 爆速
・最初のミーティング後、数週間でサブドメイン統合実施(すごい!)
・ミーティング終了後、数日~当日中に修正完了(すごい!)
・ミーティング中に修正が完了するというケースも(すごい!!)
・ミーティング前に修正が完了するというケースも(笑)
(作者注:辻氏がこの日着ていたTシャツはこれ)
- 勉強会の実施。方向性の共有
- まずは成果で信頼を得る
- 成果の共有
こんな大規模なサイトと自分のサイトは違うと思ってはいけない。
nanapiには品質が担保された様々なジャンルのノウハウが大量に掲載されている。
しかし、特定ジャンルに限定すればnanapi以上になることは可能である。
1.一通りの知識・経験
1)まず学習
これだけ読めばよい。SEOに必要な知識の8割ぐらいはこの本に書いてある。
2)トライ&エラーができる環境
・気軽に実践できるWebサイトを持つ
・後から変えられるSEO、前の状態に戻せるようにする
2.変化を把握
小さなことも把握する。
・表示内容、クリック率
・流入キーワード
・順位
など
3.変化を成果に
どのサイト変更がどのような変化につながったのかを知る。
一人ではSEOはできない。
ここを変えてくれたので、このようによくなった。
なので、ここがこうだったら成果に結びついたはずという、成果が未達成になった理由を把握しておくべき。
知識と経験を少しづつ得て
↓
小さな変化を得て
↓
小さな成果を得る
↓
成果につながった実績を得る
↓
大きな動きを起こす
↓
大きな成果につなげる
成功したSEOの力は大きい。
集客さえできれば発生しない問題も多い。
だからSEOの力はもっと大きくできる。
WebサイトにはSEOによって掘り起こすことができる、埋蔵金がまだまだ埋まっている。
セミナーの途中の休憩の間に、初めて鈴木謙一氏にお会いした。
そして、名刺ゲット。
鈴木氏あんなに高名なのに腰が低いのに驚きましたです。
この日は、登壇者の中で名刺を交換させていただいたのは、鈴木氏、辻氏、松尾氏(50音順)。
皆さん本当に腰が低くて、物腰が柔らかい。
真に自信がある人というのは、他人に対して自分を大きく見せる必要がないからだと思う。
終了後、中華料理店にて懇親会があった。
様々な方と情報交換をさせていただいたり、疑問点について教えていただいたりなどして、とても有意義な時間だった。
食事は美味しかったが、時間がもったいなく食べる時間がなかった。
結局あまり食べられず、家に帰ってまた食べましたとさ(笑
※追伸
もしSEOやWeb関連のセミナーなどで、
「豊天」
というロゴの入った服を着た妙な人物を見かけたら、それは多分私ですので気軽に声を掛けてくださいませ。
コメント
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